+女 MEIKI 息+
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女性の中には、一人では喫茶店に入らないとか、映画もお芝居も観に行くなら誰かを誘って行くという人が多いようだが、あたしはどちらかと言うとひとりで行動することが多い。一人っ子のせいだと片付ける友人も居るが、本当のところは自分でも判らない。 昔からわりとなんでも一人で遊ぶのが好きだった。 一人で夢中になって遊んでいるところにお友達がやってきて「○○ちゃん、あーそーぼー」と声が掛かっても「後でね」と即答したらしく親は随分と気を揉んだと聞かされた。 高校の時は、最低単位さえ死守すれば良いところだったので、自分で簡単に単位を割り振れるという遊ぶにはもってこいの環境が、その行動に拍車をかけたのかもしれない。授業をサボれることを楽しみにしていたけれども、友達と数人でサボることは稀で、大抵あたしはひとりで街をうろついた。よく漫画なんかで、学校をサボった高校生が補導員に捕まっている場面なんかがあるけれど、制服のままファーストフードに入っていても、本屋でぶらぶらしていても、誰にも咎められなかった。きっと、当たり前の顔で図々しく歩いていたのだろう。(補導は、二十歳を過ぎてから数回あったが、それについてはまた次の機会にでも) 当時は、学校というなんだか窮屈な場所からエスケープすることだけが目的だったのに、一人で行動することの気楽さも同時に覚えた。自分からすすんで入学した学校をエスケープするなんて今から思うとなんたる不謹慎さだと思うが、授業以外にも友人関係やらが熱くなる時期でもあったし、それはそれで良い経験をしたのだと思うことにしている。 ところが、ここで一人で行動することをあまり良く思わないのもまた同性である女子であった。彼女達はよく言うところのツレションも希望するし、昼食も一緒、教室移動も一緒、下校も一緒、どこでもいっしょ、が好きなことを随分と知らされた。 女は大好きだが面倒だと思うこの今の気持ちも、この頃から培われてきたのだろうか。
あたしは今でもふらりと街に出ることがある。 あまり大きくないデパートの喫煙所、階段の脇に座って煙草を吸う。すると、ひとりで買い物に来ていたおばさんに話し掛けられる。やれ、天気の話とかの他愛もない話題だが、知らない人とちょっと世間話をすると心が和む時がある。世の中も悪い人ばかりじゃないんだな。しごく簡単なことで、そう思ったりする。 本当に見たい映画はひとりで行く。 その方がしっかり観れるし、遠慮無しに笑ったり泣いたり出来るからだ。友人や男性と映画を観に行くのが嫌いなわけじゃない。そういう時は目的が映画を観ることではなく、その人と会い同じ映画を観ることが目的なのだから良いのだ。だから、そんな時の映画は、自分の本当に観たい映画とはちょっと違うのかも知れない。
そうやってブラブラするのが好きだけれども、孤独を愛する性格というわけではないので、だんだん寂しくなってきて携帯に着信がないか調べてみたり、買う気も無いのにブティックに入って店員に話しかけられてもらって喜んでいる。そんな時、偶然に知人に遇えるのは嬉しい。約束もしないで知っている人に遇えるというのはすごく嬉しい。 なんだか天邪鬼で我儘な性格を再確認するのだけれど。
そういう訳で知人になるであろう皆さん、あたしがうろついているのを見かけたら、ゼヒとも声をかけてやって下さい。
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