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2001年09月20日(木) 婆さんは川へ命の洗濯に


 トイレで腰掛けてふっとカレンダーを見たら
 今度の週末は3連休ではないの!

 日付も、曜日も、時間の感覚さえ無いようです。

 これじゃ、ボケるの早いだろうな・・・。


 ボケると言えば

 去年の夏に体調を崩した母が、今年の春ぐらいからやっと動ける程に回復してきたので、今年こそはお盆には墓参りをしたいと言い、父に連れ添ってもらって数泊して来ました。数年前から母の姉(あたしの伯母)が、ボケてきたそうです。体調も崩さずに、久しぶりに親戚と楽しい一時を過ごし手土産を持って母が帰ってきた時に、駅まで迎えに行きその日は実家に泊まりました。親戚の誰々ちゃんやらの話を楽しそうにする母を見て、ホッとしました。
 そこで、やはり少しボケ始めた伯母の話を聞きました。
 母が翌日帰るという日に、縁側の先、他の親戚の目を隠れた処から母に手招きするのだそうです。呼ばれた母は、伯母のところへ行くと、そっと打ち明けるように「少ないけど、東京に帰るならこれを持って行きなさい」とそう言って、小さなビニール袋に入れた白米をこっそり手渡したそうです。新米を収穫したからの理由ではなく、どうやら戦時中の疎開当時のことが思い出され、地元を離れ東京へ向かうのならせめて白い米を少しでも持たせて上げたいと、姉が妹を思う気持ちの現れだったようです。母は、困ったもんだけど皆に迷惑をかけるようなボケでないからと、笑って話をしていましたが、聞いていたあたしは意味無く(どういう理由からなのか自分でも判断出来ないまま)泣いてしまいました。どんなにボケたとしても、姉が妹を思う気持ちはボケないんだなと、今なら少し判断出来る感情ですが、やはり少し切ない気持ちになります。
 あたしも確実に歳をとり、婆さんになった時にボケたとしても、いくらボケたことは自覚しないとは言え、愛する者を労わる気持ちは持ちつづけたいと。矛盾してますが、思ったりしました。


香月七虹 |HomePage