+女 MEIKI 息+
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2001年10月29日(月) |
Fine day and Monday is always get me down. |
そして今日のように晴れた日は尚更に彼女を思い出す。
もう地べただって冷たいだろうに、彼女は同じ場所で行き交う人の足を見つめていた。彼女の視線を借りれば、見えたものは足ではなく、人そのものなんだろう。
デパートの入り口脇や道端でしゃがみ込む若者は、その視線の高さでしか物を見れないと、したり顔の大人が数人で襷がけをして、道往く人や自転車の邪魔になりながら駅前で説いていた。 しゃがみ込み輪になって集うさまは、その視線=幼児の視線の高さ故のことだそうだ。ただ、その話を聞く者は、しゃがみ込んで輪になって集っている者達では無い。 先頭に立っている者は、大声で熱弁をふるい聴衆に頷かれて、そこでもっともな顔つきになりさらに熱く語れば語るだけ、私には何を言っているのか解らなくなった。
元々、伝えたいと思う相手が聞き耳を立ててくれる聴衆であるから、気持ちよく演説が出来るのであろう。 ならば、締めくくりに「・・・であると、私は若者に伝えたい」などと、言うのだけは辞めて欲しい。 それまでせっかくの饒舌も、陳腐なものになると誰も気付かない環境に居ることが心地よいのなら、閉鎖的な場所で熱くなっていて欲しい。
髪を色とりどりに染め、唾を吐き煙草を投げ捨て、脇に缶ジュースを置きながら輪になる彼等を横目でちゃんと確認しながら、どうして真っ先に一人で座る彼女の前に数人で立ちはだかり、誰一人屈みもせずに横柄な態度で彼女を立ち退かせようとするのだろう。 座り込んでいた集団は、ごそごそと場所をほんの数メーター先のコンビニの前に移動したことで、その難を逃れたようだった。もちろん大人と呼ばれる者達はその行動を見ていただけであるし、残された空き缶や吸殻を手に取る者は誰も居なかった。
駅構内で活動するために届け出を出し、許可の下りた決められた時間内での活動を終え、襷がけの集団が去った後にはまた、同じように若者が座り込めるスペースが出来ていた。 襷がけ集団が居なくなった分、自転車を押す人や駅利用客が足早に過ぎ、流れを止める澱みが無くなったかのように元の風景に戻っていった。
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