short story


2001年03月17日(土)


「何か」
何かが
静々と闇を持ち寄る。
壁に浮かぶ影の先が
それに私を引きずりこんで
少しの間だけ孤独を忘れさせようと
優しく笑って手を握る。

私は躊躇もせずに
導きに従い
やがて幾つもの星々に混ざる。

全てが溶け込むように無色になると
何一つ実体を持たぬ気配に
わずかに楽しげな思い出を懐かしみつつ
そうして私は
その何かになる。

何かになる。

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日記才人