
貴方の深い所へ入り込むことは ついぞ叶わなかった。 私に落ち度があるとしたら それは一つだけで その一つが致命的だった。
屋根の上で貴方は歌う。 どうやってそこへ登ったかなど 私は尋ねない。 言いたければ言うだけのこと。
私もそこへ登りたいと 喉まで出掛かって飲み込んだ。 理由なんてない。
貴方が歌う時 僕は横に座ることよりも 貴方がなにに向かって歌っているかに ただそれだけに意識を集中して そして高い高い屋根を見上げる。
眠気には寄り添い。 朝には別れよう。 見比べてみるといい。 痛々しい傷と 明日の予定と。
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