英国人の彼女
6年間の遠距離恋愛の末、イギリスに嫁いできました。ロンドンで息子と3人で暮らしています。

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2007年08月05日(日) ストイック

ストイックな人に憧れる。
わたしには、自制心の欠片もないから。

夏休みの宿題は、いつも8月31日にやっていた。
自由研究は祖母が作ってくれた。
試験は全て一夜漬けだった。
大学では午後の授業だけ取っていた。
ダイエットしようと決めた次の瞬間に何か食べている。
お金はあるだけ使ってしまう。
ジョギングも、ジムも、ヨガも三日坊主だった。
お酒がゆっくり飲めない。

好きな人にすぐにメールを書いてしまう。
すぐに電話してしまう。
すぐに会いに行ってしまう。
それが、別れ話の直後でも。

かつて、少しの間だけ付き合った人がいた。
4つも年下なのにわたしよりもずっと大人で、
これまでに出会った誰よりもストイックな人だった。
その人のことがわたしはとても好きだったけれど、
あまり感情をあらわさない人だったから、
彼が自分のことを好きなのかどうかわからなかった。
なのでとても苦しくて、
でも変なプライドのせいで苦しいことが言えなくて
ある日突然、お互い不幸になるからもう止めようといわれたとき、
辛くて、悲しくて、ほっとした。
彼は最後に「必ず幸せになって下さい。心から祈っています。」
というメールをくれて、わたしはそれを見ながら号泣した。

普通はそこで終わりの話だれど、
自制心のないわたしは次の日我慢できなくなって
彼にメールを送ってしまった。

「わたしのことを、少しでも好きでいてくれたのでしょうか」

その返事の意味は、いまだにきちんと理解できていない。

「あなたのことが大好きでした。
本当に好きでした。
でも一緒にいると甘えてしまって、
頼りたくなってしまって、
自分が自分じゃなくなりそうで、
それが本当に嫌でした。
甘えればいいと言うかもしれないけれど、
僕は、自分の足でいつも走っていたいんです。」




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