週末は彼の誕生日プレゼントを買いにいった。二人で行った。古着のジャケットが欲しいというので、渋谷から代官山までお店をいくつか教えながら歩く。
大学時代、洋服で無駄遣いばかりしていた頃に飽きるほど通った道だ。橋の上からJRの線路が見える場所がある。夕暮れ時に電車が通り抜ける姿が、美しいけれど寂しくて寂しくて、よく泣きそうになっていた。思い出すのは冬の風景。ブーツやコートなど、分不相応な大きな買い物をした帰り道、その橋を渡る瞬間に突然今までの買い物の高揚感が冷める。殺伐とした気分で歩き続けた。
彼と二人でその橋を通る時「あ、ここ、よく通ったなあ、大学時代に」と言った。相手はふうん、とうなづきながら、その橋を通り過ぎる。どうってことない感じに。
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