続・無気力童子の紙芝居
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きみは 知ってしまったから 戻れはしないし 其れを捨てて逃げることもできない。 彼女が持っているのは小さな淡水魚で、 ちっぽけで、愚かで、美しく。 腐ってはいるが、食べられる。
相反せよ太陽
目を背けたくなるほどの、危ういバランスで 彼は強固なお城をたてた。 そのお城に住むことになった彼女は言う 『明日崩れてしまうかもしれないことが 私にとっては何よりも安心なの』
輪廻の鈴の音
世界中の海を渡りながら、世代が変わり。 一周する頃には、『次の』人が、また、そこに。 永遠に続くと思われがちな 空気や、水や、思考は 常に形を変えながら なに食わぬ顔をして そっと戻ってくる。
揺れる揺れる、水面
彼女はもう いないのに 彼も ここにはいないのに 『好きだから 嫌いなんでしょ、好きだから。』 去り行く彼女は吐き捨てて 地面には、血まみれの金魚がダンス
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