時間の流れというものは、時には過酷だが、
今の私には優しく感じられる。

それだけ歳を重ねてきたということだろう。
昔ほど無茶をしなくなった。
昔ほど感動が多くない。
昔ほど・・・。

年輪を重ねた分、何かが減ってしまって寂しい。
その分増えた何かを、この二つの肩と小さな心にしまって、
ゆっくりゆっくり歩いて行こう

先日、昔の恋愛の話を聞かれた。
でもね、はっきり答えられないの。

あのときはあの時。
あの時、どんな気持ちだったかなんて、はっきり覚えていないんですもの。
確かに、幸せだったり辛かったりした記憶はあるけれど、
今の私は、昔の私じゃない。
あの時の気持ちを振り返ってみても、正確には思い出せない。

言葉にすれば、今の私の気持ちで考える昔の自分を語るしかない。
言葉の隙間に、だんだんと昔への憧れや、修正も入ってしまって、
ほんの少しずつ、事実から離れてしまう気がして・・・。

ちょっとだけ、寂しかった。


この幸せを一生覚えているって言葉。
この悔しさを一生忘れないって言葉。
私、ちょっと違う気がする。