今日から4月だ。 この時期になると、いつも新学期の中にいる自分を思い出す。 暖かい日差し、桜をはじめとする花の香りの中。 そして新しい教科書の匂い。
決まって図書館にいた私は、あの懐かしい図書館の匂いと花の香りの混ざりあった風を窓から入れて、校庭を見ている。 時には本を持ち出して、校舎の横に置いてあるベンチでのんびりすごしていたな。
あの懐かしい風景を思い出して、桜の花を見るたびにふと涙が出てくる。 回顧主義ではないが、あの頃に戻りたくなる。
卒業も新学期も何もかも嫌いだったけれど、あの春の空気の中にいることだけは好きだったな。
今も、この空気に包まれると、細胞の一つ一つが活性化する、そんな気になる。 自然の中に還っていけるその瞬間が好きだ。
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