罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
2001年05月12日(土) |
沢山の人・幸せと不幸せ 缶太 |
ここの所、いろんな事があった。 あり過ぎて、心を整理しきれない感じ。
久しぶりに、売りをしてた時の仲間と会った。
一番仲の良かった子が、工場に勤めるようになっていた。 そこで、指を切断したそうだ。 笑って、『意外と痛くないんだね』って言ってたのが、痛かった。 泣きたいくらいなのに、彼の笑顔を見てたら、泣けなかった。 彼はまた詐欺に遭っていた。 優しい事はデメリットなの?
その子が保護してた、対人恐怖症になりかけてた子は、 同居人の一人にはめられて、帰りたくも無い実家に自分から帰っていった。 『これ以上あいつに迷惑かけられないから』 そして実家で親に勘当されたらしい。 それでも彼は水商売をして、頑張っていた。 奇しくも、俺と同じ日に働き出していた。 誰も憎まずに、その状況を生き抜いていた。
彼らの強さが、その数倍の弱さに裏打ちされたものだって事を、知ってる。 まだミノルがいた頃、俺達は彼らの弱さを見てる。 誰も信じられなくて、感情を押し殺して、壊れる寸前の彼らを。
俺は強くなれるかな? 壊れずに、弱さを認め、強く生きていけるかな? ヒトらしさを残したまま、機械じゃない『俺(達)』になれるかな?
最近、虐待のニュースが多い。 見たくなくても、仕事場でつけっぱなしのテレビが情報を垂れ流しにする。 聞きたくなくたって、耳に入ってくる。 頭が痛くなる。心臓の鼓動が早くなる。そして破壊衝動。 ネガティブな人格が出てきそうになる。 虐待の記憶は心に傷跡を残す。 そして、同じ事を繰り返させようとリフレインする。 そんな声に負けていいはずがない。なのに。
やっぱり、現実って言う表の世界は、理屈や知識だけじゃ少しも理解できない。 ミノルと一緒に見てた世界とはまた違うね。 自分の目で見る事がこんなにもリアルを伝える事だとは考えなかった。 俺が、俺の目でこの世界を見るようになって数ヶ月。 リアルな現実に振り回されて、目が回っているみたいだよ?
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