罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
2001年09月05日(水) |
八年前の呼び声 缶太郎 |
声が聞こえる。 八年前の、壊れる前の僕、中学生の翡翠。
「僕はいないほうがいいんだね」 「僕は存在しちゃいけなかった」 「なら」
止めて。 聞きたくない。
最近、だったみたいだ。 僕たちが、最初に壊れた日。 頭痛が止まない。 声が。 囁き続ける。
「何で産んだの?」 「何で何もいわないの?」 「必要ないんだね?」 「必要なのは僕じゃなくて×××」 「×××なんか僕じゃない!」 「いいよ、×××の僕なら、必要なんだろ」 「×××でも、あんたたちは変わらなかった」 「楽になった分、余計に構わなくなった」 「やっぱり、必要無いんだな」 「ははははははははははははははははは」
もういい、もういいから。 あの人たちはもう関係無いから。 誰か、止めて…。
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