橋本裕の日記
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2004年11月14日(日) オランダにおける教育の自由

 今日の日記も、リヒテルズ直子さんの講演会の紹介である。1917年にオランダ憲法が改正されて、第23条が成立した。これは日本の教育基本法に相当するもので、ここに公立と私立の学校への政府補助金も平等にするように明記されている。

 それでは公立と私立の違いは何か。簡単に言えば、私立とは特定の宗教や信条にしたがって教育が行われている学校である。公立の場合もふくめて、オランダでは教育の中立性ということは問題にされないようだ。

 むしろ、それぞれの学校が独自の教育方針を定め、それぞれの立場を明確にして、違った教育がなされることが奨励される。また、学校の中でも、教師によって教育方法は違っている。オランダには検定教科書もないし、指導要領のようなものもない。

 オランダは市民が主体となってつくられてきた歴史を持っている。したがって、教育制度にもそうした上からの統制を嫌う市民社会の自由尊重の考え方が反映されている。オランダでいう教育の自由とは、具体的には次の四点である。

�ヽ惺酸瀘�の自由
��教育理念の自由
�6軌虔�法の自由
�こ惺餐�択の自由

 オランダでは200人の生徒が集まれば学校が設立できる。政府はその生徒数に応じて、一律に財政援助をあたえなければならない。そして、その場合、その学校がどのような教育理念を持ち、どんな教育方法で教育を行おうと、基本的には自由である。学校や教師にはこうした無制限ともいえる「教育の自由」が認められている。

 しかし、自由のあるとこと、責任もある。学区制のないオランダでは市民に学校を選ぶ自由は100パーセント保障されている。しかも、授業料はどこも変わらない。学校も生徒を集めるためには、魅力的な学校作りをしなければならない。教育の質を維持するために、「学校選択の自由」が要になっていることがわかる。

 日本の場合も、「教育の自由化」の目玉として初等教育における学区制の撤廃がいわれている。しかし、� 銑�の教育の自由が存在しなければ、学区制の撤廃はあまり意味をなさないのではないか。

 オランダは多様な価値観を尊ぶ成熟した市民社会である。日本社会はまだまだ偏差値という一元的な価値観が支配している。これを変えるためには、まず、� 銑�の教育の自由化を押し進める必要がある。そしてそのために必要なことは、オランダの第23条に相当する財政的支援体制であろう。

 日本でも公立と私立に対して、平等な財政支援を行う体制を作ってはどうだろう。もちろん教員の給料も同じである。学校や教師はそれぞれ独自な教育理念と方法をもち、魅力的な学校や授業をつくることで、生徒と父兄にアピールする。こうしたことが自由に行えて、日本は初めて教育先進国といえる。


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