橋本裕の日記
DiaryINDEX|past|will
| 2004年11月30日(火) |
かけ算の楽しい教え方 |
かけ算をどう教えたらよいか。これは「正方形」や「長方形」を使って教えればよい。そして、「かけ算」と「面積」が密接に関係していることを体験させる。
たとえば、2×3や、3×2,4×4は、「一円玉」を使って、次のように表現できる。○の数を数えることで、2×3=6、3×2=6,4×4=16が得られる。
○○○○ ○○ ○○○○ ○○ ○○○ ○○○○ ○○ ○○○ ○○○○
ついで、□の単位ブロックを使って実際の面積を計算させる。たとえば、次のような長方形は□ひとつの面積が1と考えれば、一円玉の数の場合と同じく、2×3=6と計算できることがわかるだろう。
�� �� �� �� �� ��
そして、こうした正方形や長方形をたくさん描いて、子供にその面積を求めさせるのである。さらには、図形を自分で描かせて式の計算をさせる。そうすると「6×4」や「4×6」を求めために、子供たちは次のような図形を描いて、答えを出すだろう。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
このとき、子供たちは両方とも同じ24という答えを持つことに気付くに違いない。式であらわせば、「6×4=4×6」である。そこで、「3×5と5×3のときはどうかな」と質問してみよう。こうして子供たちは「3×5=5×3」もまた成り立っていることを発見する。そして、優秀な教師であれば、ここで必ず、「どうしてだと思う?」と、その理由を子供たちに考えさせるはずだ。
「そんなこと、あたりまえだよ」と答える子供がいるかもしれない。そこで、「どうして?」とさらに追求する。 「だってブロックの数が同じだもの」 「そうだよね。でも、他に方法はないかな。数えなくても分かるとっておきの方法があるんだけどな」
おそらく、多くの子供たちはこの問いに答えられないだろう。いや、それどころか、問の意味さえ分からず、立ち往生するかも知れない。実は、その方がよいのである。教師はここで安易に答えを教えない方がよい。「明日までの宿題にするから、考えておくのよ。分からなかったらお友達と相談してもいいし、お父さんやお母さんに助けてもらってもいいわよ」と、子供たちにたっぷりと「考える時間」を与えてやりたい。
しかし、教室にはたいてい、こうしたゆったりした時間の展開を妨害する子供たちがいるものである。たとえばすでに「九九」を覚えている子供たちは、「3×5=15」という問題に即座に答えるだろう。そして、図形を書いて、いちいち足し算をしている生徒達を馬鹿にし、優越感に浸っているかもしれない。
しかし、彼等が優越感に浸っていられるのも、しばらくのうちである。家庭で教育ママから「九九」を機械的に暗記させられ、試験で高得点をとるだけの子供は、やがて算数や数学が苦手になるだろう。なぜなら、彼等の頭の中には、ゆたかな「数の体験」が蓄積されていないからだ。見かけは秀才だが、中身は空っぽの、ただの張りぼてだと思えばよい。
それでは、子供にどのように「九九」を教えたらよいだろうか。私はこれを「算数の授業での一大イベント」として教えたらよいと思う。教師はあらかじめ中が空欄のな「九九の表」を印刷して生徒に配り、それとは別に大きな紙を黒板に貼り付ける。
「さあ、今日はとても大切な日ですよ。みんなで協力して、この表を完成させましょうね。この表があれば、かけ算がとても便利でしょう。いちいち計算をしなくても、表を見れば答えがかいてあるんだものね」
空欄は全部で81あるから、たとえば早いものがちに、二つずつ黒板の表を埋めさせればよい。自分の役目を果たした後、子供たちは残りを自分で解くだろう。そして、他の友達が解いた黒板の数字と照合する。こうして、みんなで協力して完成させた「九九の表」はクラスの宝物になるだろうし、子供たちの心にいつまでも明るく楽しい学習の記憶として残るだろう。
さて、九九の表を書くにあたって、「○×□=□×○」の法則は威力を発揮するはずだ。「6×7」を計算した生徒は、同時に「7×6」の答えを手に入れる。こうして、九九の表はたちまち埋められることだろう。「九九」を覚えさえるのは、このイベントのあとでよい。
最後に、「○×□=□×○」という交換法則が何故成り立つのか、その答えを書いておこう。それは、二つの長方形の「面積が等しい」からだ。それではどうして、面積が等しいことがわかるのか。一方を90度回転させれば、その二つの長方形がぴったり重なるからだ。
|