橋本裕の日記
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OECDによる15歳の学力調査で、日本はかなり順位を下げたようだ。数学的リテラシーでは前回41ケ国中1位だったのが、香港、フィンランド、韓国、リヒテンシュタインに抜かれて6位になった。ちなみに、このあと、カナダ、ベルギー、マカオ、スイスと続く。
「読解力」はあいかわらず、フィンランドが1位で、韓国、カナダと続き、前回8位だった日本は、今回さらに順位を下げて14位になった。得点の高いグループの成績は前回並みだったが、低いグループの減点が大きくひびいたのだという。学力格差が広がっているようだ。
朝日新聞の分析によると、とくに日本の学生が弱いのは論述形式の問題だという。「文章や図を論理的に解釈してそれを表現するのを苦手とする日本の生徒の姿が浮かび上がってくる」と書いている。
いうまでもなく、学力の基本は「日本語力」である。昨日の朝日新聞の社説「いまこそ日本語を」は、この点にふれている。一部を引用しよう。
<何が書かれているか。文章が理解できなければ数学の問題も解けないし、科学もちんぷんかんぷんだ。本や新聞を読むのもおっくうになり、私たちが生きる社会や世界に対する興味と理解も限られたものになるだろう>
<国際社会を舞台に他国の企業と競うのも、外交も、英語の前にまず日本語である。自分の国の言葉でしっかり考え、他者の言葉を受けとめ、自分の考えを表現する。価値観が多様化し、国際化が進めば進むほど、日本語の力はいっそう重要になっている>
中山文部科学相は義務教育改革のなかで全国学力テストの実施を打ち出していることに触れ、「低下傾向に歯止めをかけなければならず、競い合う教育をしないといけない」と述べている。
私は「競い合う教育」で学力が伸びるとは考えない。成績が上位の子は「勉強が面白い」と答えるかも知れないが、それは勉強が面白いのではなく、「他人に勝つことが楽しい」だけである。そして、大学入試という競争がなくなると、もうほとんど勉強しなくなる。
テストと同時に行われたアンケート結果を見ると、「数学で学ぶ内容に興味がある」と答えた日本の生徒は33%で、フランスなど60%をこえる国があるなかで、日本は41ケ国の平均を下回っている。
「数学を日常生活にどう応用できるか考えている」と答えた生徒は、日本では12.5%で平均の53%にはるかに及ばず最下位だった。「数学が将来役立ちそうだ」と答えた生徒もオーストリアやアメリカでは80%をこえていたが、日本は49%しかなかった。
日本の高校生は半数以上が、「数学は面白くなく、将来役にも立たない」と考えていることがわかる。私にはこれはむしろ「競い合う教育」のもたらした「学力の空洞化」ではないかと考える。以前にもくりかえし書いたとおり、勉強するには�ゞ縮���必要の2つのモチベーションが大切だ。このモチベーションを高める努力や工夫が必要だろう。
そのためには、「学力の基礎は語学力」という基本に立ち戻り、語学教育を中心に教育そのものの質を高めて、学問そのものに興味を持たせること、そして勉強が人生に役立つのだという必要性を感じさせることである。そうした方向での、実のある教育改革がのぞましい。
そのお手本は、フィンランドの教育改革であろう。これについては、「何でも研究室」のなかの「フィンランドの奇跡」にくわしく書いたとおりである。ぜひ、中山文部科学相にも私の文章を読んでもらいたいものだ。
http://home.owari.ne.jp/~fukuzawa/finland.htm
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