橋本裕の日記
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2005年08月02日(火) 深刻さ増す日本の貧困

 昨日の朝日新聞の夕刊に京大教授の橘木俊詔さんが「深刻さ増す日本の貧困」という題で書いていたが、それによると、日本の貧困率はいまや先進国ではワースト3だそうだ。

 OECDが定義する貧困率というのは、国民の何パーセントが平均所得の半分以下かというものだが、これでみると、ワースト5は次のようになる。

�.瓮�シコ(20.3パーセント)
�▲▲瓮螢�(17パーセント) 
��トルコ
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�テ�本(15.3パーセント)

 ちなみにデンマークは4.3パーセントである。日本も10年前には8パーセント台だったから、この10年間で急速に貧富の差が拡大したことがわかる。このまま推移すれば、アメリカさえ抜いて、先進国で一番不平等な国という烙印を国際社会で押されかねない。

 この数字を裏付けるように、この10年間で生活保護の家庭も60万所帯から100万所帯を超えるレベルにまでになっている。

 橘木さんによれば、失業率の悪化にくわえ、フリーターや派遣社員などの非正規社員の増加が貧困率増大の主な原因だそうだ。彼は次のように結んでいる。

<日本の貧困問題は想像を超えて深刻さを増してきている。一見豊かさを成就したわが国だが、新しい姿で出現している貧困を解明し、かつ撲滅を図る政策の必要性は高まっている>

 自助努力は勿論大切である。しかし、自助努力をしてもなおかつ貧乏になる場合がある。貧困率でみるかぎり、そうした仕組みがこの社会にできあがってしまったようにみえる。これは政治の貧困というしかない。

 たとえば、富士火災海上保険に23年間勤務している男性(52)が、先月15日に会社を相手に東京地裁に訴訟をおこした。6月の手取りがなんと2万2千円しかなかったそうだ。病み上がりの妻を持ち、5人家族で月2〜3万円では生活していけない。

 富士火災海上保険は平成12年から、成果主義の「増加精算金制度」を導入している。彼はとくに無能というわけではなく、むしろ過去には年収1000万を超えていた。ところが過去に契約した会社が倒産したりして契約を解除すると、過去にまでさかのぼっって手当を没収される。過去に実績がある人ほど辛い制度だ。

 会社の本音は「いやなら辞めろ」というとだろうが、これでは労働者はたまらない。こうした従業員切り捨ての背景には、業界の利潤優先主義がある。この会社では月収が10万円台の正社員がかなりいて、結果的に辞職に追い込まれているそうだ。

 私が教えている定時制高校のクラスにも、両親が自己破産した生徒や経済的な理由で別居中だという生徒がいる。経済的な理由で学校を辞めていく生徒も多い。

 ある母子家庭の女生徒は母親が腎臓病で入院し、生活をするためには学校を辞めて水商売で働くしかないと涙を流していた。底辺に身を置いて社会を見ていると、日本の貧困化の深刻さが実感としてよくわかる。


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