Land of Riches
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2024年10月04日(金) |
Stargazing [前編] |
梅野記念絵画館に刀剣乱舞コラボの刀展示『東御の刀鍛冶』を見に行ってきました。 週末は東御市が無料のバスを出しているのですが、平日はタクシー推奨。 元来は市民用のオンデマンド交通である『とうみレッツ号』を予約して向かいました。 ………片道だけ。帰りの予約を取らなかったことで悲劇が訪れるとも知らずに。
絵画館と称するだけあり、本来は日本画を収集していた梅野氏のコレクションを 旧・北御牧村が展示するための施設です。今回は東御市誕生20周年(石戸さんが かつて在籍していたアルティスタ東部は東部町と北御牧村の合併でアルティスタ東御に。 現在では更に改名してアルティスタ浅間)を迎え、燭台切や骨喰の復元刀を作刀した 宮入刀匠が東御を活動拠点にしているのもあり、異例の刀展示となりました。
展示品リストの掲載順とは異なり、まずが宮入刀匠が作刀した現代刀が飾られ(壁掛けなど 普通の博物館では採用されなさそうな展示ケースが用いられていたのも印象的でした)、 メインとして山浦家の作品が並び、水心子など関わった人々の作品も挟まれる構成でした。 刀の展示はそこそこの数を見てきましたが、刀匠をここまで全面的に押し出した構成は初めて。 キャプションも刀自体ではなく、刀匠の人生に多くを割いたものとなっていました。
とうらぶでは水心子と清麿は親友設定ですが、史実を踏まえるとどうしてこうなったのか、 謎すぎると言われる要素の一つです。史実の清麿(山浦環)はむしろ水心子に対して、 俺はこんなにできるんだぞと喧嘩を売りに行った方であり、水心子の弟子である大慶とは 火花を散らしたようです。刀匠一家である山浦家は親子兄弟揃って脳溢血を発症していて、 血の繋がりを感じました。体質と言いますか、酒が好き過ぎると言いますか…。
1日3升も呑んでいた清麿は、呑み過ぎで手が震えるようになり、作刀に支障をきたすようになります。 そのストレスから更に呑むという悪循環に陥った末、将来を悲観して自殺してしまいました。 亡くなった時期からかなり近い日に打った作品も展示されていて、平和な時代に刀を打っていた 江戸三作の刀匠が何を感じていたのか、思いを馳せずにいられませんでした。松代藩で割とめちゃくちゃな 試し切りが行われ、清麿の作品が評価されていたエピソードも紹介されていました。 (清麿という名前は江戸に出てパトロンを得た後に名乗りだしたもの)
こじんまりとした展示ながら堪能して帰ろうとした私を待っていたのは、帰りのとうみレッツ号が 夕方にならないと捕まらなさそうな現実でした。絵画館は山の上。里に降りたら捕まるのでは…と 甘い読みで歩き始めた私を待っていたのは、時折降る雨、女が独りで歩いているのを怪訝そうに見る 農作業中のおじさん、逆方向に向かうとうみレッツ号…結局6km近く、田中駅まで歩いてしまいました。 下りだったからかろうじてどうにかなりました。いや、どうにかしました。オマケに田中駅では しなの鉄道が直前で出発してしまい、1時間ほど駅のベンチで待つ羽目に。駅前には日帰り温泉も あるという贅沢な立地ではあるのですが、逆に1時間は温泉に入るにはやや不足です。 電車の間隔が長いと、青春を語らいながら待つ高校生がいるのは、昔の私と同じに思えました。
コインロッカーに荷物を預けるため、北陸新幹線を上田駅で降りて、そこから戻る形で東御に向かった私。 帰りも荷物を回収するために下車したのですが、目をつけていたビアバーは臨時休業。 晩ご飯は長野駅近辺でyoutuberのzakiさんが行っていた蕎麦屋にしようかと思ったら満席、 web検索で目をつけた居酒屋は本格的過ぎて足を踏み入れられず、3軒目で訪れた別の居酒屋になりました。 ここもお通しが干物を自ら炭火で炙ったり、ナガノパープルを使ったつまみがあったり、美味しかったです。
長野駅近辺はいろいろ美味しそうなお店があるようで、また行ってみたいとも思いました。 次回は今回断念した戸隠神社参拝にもトライしてみたいです。
2024.12.4 wrote
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