Land of Riches


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 2025年09月10日(水)   バイアス 

配慮って我慢の美化表現では…?

唐揚げ食べたいと感じて実際に食したら胃がもたれた場合、
心は過去の成功体験から欲求を導き出したのだろうから,
身体の方が今この時を生きている、と言えるのかもしれません。

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午後は半休を取得して舞台を2本見ました。マチソワで違う演目見たのは人生で初めてです。
「礎の響」が和田雅成さんのニコ生先行で取れなかった(神田明神ホール200人も入らない)ので
別の先行で取ったのですが、結果としてFate/zeroミュージカルと同日になってしまいました。

前編はチケット取るの大変だった印象で、後編最速先行のため、どれだけゲーム内で呼符配布など
加入施策が行われてもスルーし続けていたアニプレックスオンラインに会員登録しました(苦笑)
しかし私が行ったこの日(昼公演のみ)はサイド席未使用で、1階席にも空きがありました。
zeroは約束されたバッドエンドで、見ていて気持ちが良い結末にはならないですが、それでも…。

新木宏典さん演じる主演の切嗣は、これを20公演やるなんて新木さんの精神状態は大丈夫なのかと
心配するぐらい壊れていき、さすがの演技でした。40代に見えないくらい若いですよね見た目。
また前編では演出家が出したくても出せなかったと語っていた凛・桜・イリヤ(3名とも小柄な
女優さんが1人で担当)に加え、ケリィや士郎(現役男子高校生のアンサンブルが演じた)も登場。
アリマゴ島で切嗣が人生を踏み外す契機となった凄惨な事件を時間をかけて描いていました。
シャーレイはアイリ、衛宮矩賢は序盤で退場するケイネス役の俳優さんが兼役です。

一番泣かされたのは冬木大橋でのギルガメッシュ戦に臨むイスカンダルに対して、ウェイバーが
令呪3画を全部使い切る場面でした。ギルガメッシュ役の丘山さんはH×Hのヒソカに続いて
事務所NGないのかと驚くほど見事な肉体を受肉シーンで披露していました。笑っちゃいますよね。

前編では殺陣が得意なアンサンブルが受け持っていたランスロットも、後編ではセイバーの前で
顔出しするため刀ステ大典太役の磯野さんがキャスティングされました。殺陣が素晴らしくて、
さすが天下五剣と唸りました。セイバーは前編に続いて最高で、やはりSNの舞台化を希望です。

また切嗣vs綺礼のラストバトルではufotableの全力描写をまさかのほぼ完全再現。
舞台で人間が宙を舞うなんて無理だと思いこんでましたが、アンサンブル(思えば前編から
魔力の流れを人を使い表現していた)が二人を支えてふっ飛ばされる光景を実現していました。
切嗣の固有時制御も綺礼がスローで動く中で普通に動き、更に新木さんの独白を添えて具現化。
舞台芸術の可能性は思っている以上に幅広いのだと思い知らされました。

歌舞伎町から神田明神に移動(食事を摂る暇もなくコンビニ飯)してノンバーバル演劇を初体験。
最速先行ではなかったので席は後方でしたが、むしろ良かったかと思いました。
海外で主流だと言う、リピート観劇を前提とした全方位で演技が展開されるスタイル。
(一度の観劇では見切ることができないので情報量が不足してしまう)

入口で配られたビラは観客がGO/STOPを掲げて作品に参加するためのアイテムだったようですが、
使い方がわかりませんでした。キャストが何の役かも、ほぼこのビラで初めて知りました。
月読役のビートボクサーさんが和装でブーツを履いていた(俳優さんは足袋)のが印象的でした。
ビートボックスは刀ミュでかなり免疫ついていたので、雷太さんに感謝ですね(笑)

和田さん演じる槍使いの三成と、早乙女友貴さん演じる刀と舞の達人である吉継は親友。
史実通りに若き日は並んで研鑽し、豊臣家を結果的に損ねた朝鮮出兵などを経て、関ケ原に。
実は三成が家康を破ったり、相打ちする時空もあったのですが、水野美紀さん演じる女神が
幾度も世界線を切り替えて(審神者的には若干不愉快)いわゆる正史に持ち込みました。

吉継は切腹、三成は斬首と皆が知る結末を迎え、死の直前に三成は笑みを浮かべます。
その意図が掴めない観客が私以外にも多かったようで、後日ニコ生で和田さんが答えていました。
女神の力で時空が裂かれ、三成は未来を…私たちの生きる21世紀を垣間見ていたのです。
そこで自分は生き延びるべきではない、ここで死ぬべき存在だと悟ったんだそうです。

ノンバーバルなので入ってくる情報量が少なくて、ストーリーは一度では把握できません。
それも前提となっていて、ビラにもどんな受け止め方をしても正解だと書かれていました。
関ケ原は昔から創作では西軍の三成や吉継らが人気で、東軍は悪く描かれがちです。
私は刀剣乱舞から関ケ原に興味を持ったので少数派の東軍(黒田長政)推し。
西軍の知識は主に遥か7で得た範囲で、余計に「礎の響」を見るには足りていませんでした。

正直、早乙女さんの殺陣と舞、服部半蔵を演じた熊倉さんの殺陣と運動量(40代にやらせる
動きではないとご本人もXでぼやかれてました)は凄まじかったですし、和田さんも槍の殺陣や
篠笛の指使い(流石に演奏はプロの録音)素敵でしたけど、1時間で1万円するエンタメか…と
少なからず消化不良だった印象です。リピート観劇できたらまた違う感想だったかもしれません。

2025.10.4 wrote


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