Land of Riches
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3連休はローソンでの刀ミュ博覧会チケット争奪戦敗北から幕を開けました。Loppiで回線が 混雑して繋がらなくて負けるなんてあるの……最近の刀剣乱舞は倍率上がっているのでしょうか。 大本丸博の桜ステージはまだ根に持っているし、アニメイトカフェも第3弾は3週目でやっと当選。 アニメイトカフェは第2弾までは割と簡単に取れたので、やはり男士の人気格差でしょうか。
チケット戦争敗北者であふれるXで、博覧会と舞台バババの交換ポストを見かけました。 刀ミュの長谷部は初出同期の長義(水江さんas)といつも一緒。プラスに働くこともあれば、 マイナスに作用することもあります。プラスと言ったら怒られてしまいますが、ランダムまみれの 刀ミュなのに長谷部のグッズを等価あるいは僅かの上積みで確定入手できる機会を経験できたのは それだけ自引きするための大量購入した長義/水江さんオタクが存在するというわけなのです。
ランチはXのプロモーションで流れてきたバーミヤンの薬膳麻辣湯。麻辣湯には興味ないのですが、 棗・龍眼・枸杞の実と薬膳の店に行けば口を揃えて店主に勧められる食材が揃って3桁のお値段とは お手軽すぎて魅力です。漢方の体質診断はチェックリストの項目によって結果がやる度に違うので 私にダイレクトに向いている食材って分かりづらくて、だったら万人向けの良い物…となるのです。 店主の蘊蓄を聞かないで体に良い食材が摂取できるのはありがたいです。 (近場の薬膳料理は店主がうざすぎてリピート無しと決めたレベル)
帰宅後は読書。人員削減の7月、更にメンバーが交代で夏休み取る8月を乗り越えて、ほんの少し 心に余裕が出てきたのか、物凄く久しぶりに本を長時間読み続ける事ができています。 BOOKS移動祝祭日という店主が一人で営む本屋が神保町にあり、作者の星座別に本を並べるという 個性的な棚なのですが、この店にホロスコープを見てその人に向いてそうな古本3冊を選んでくれる TRIA PUNCTUM【わたしを刺す3冊の本】なるサービスがあり、刀ミュのドーム公演が1日しか 入手できず、少しお金が浮いたと感じた7月の私が勢いで申し込んでいました。
この日はバーミアンでその中の1冊・野溝七生子の自伝的小説『山梔』を読了しました。 そもそもクチナシにこの漢字を当てるのは中国で、日本では梔子と書くのがメジャーです。 芸術家だった祖父の血が濃く伝わっているのか、家族で交わすとは思えない繊細で神経質な会話が 飛び交う家にあって、最も貪欲に読書(女が本を読むためにちょっとした冒険が付随する時代)に 勤しんだ結果、知的優越により家族との軋轢を抱えてしまった主人公≒作者らしい題名です。
主人公・阿字子は幼少期こそ快活な腕白幼女でしたが、かつて継母に虐げられたトラウマから DV野郎になった父の暴行からの逃避先として読書に没頭し、高尚で聡明な文学少女に育ちました。 DV被害者としての連帯感も込みで親しくしていた母(父に全く逆らえず、父がやるくらいならと 代わりに娘の鞭打ち担当を引き受ける婦人)と3姉妹でしたが、姉は嫁ぎ、兄(彼だけは軍人として 家から離れて育ったのもミソ)は妻を迎えて大正時代の「家」システムに組み込まれていった中、 高等女学校でも高尚さを存分に発揮して級友を寄せ付けなかった阿字子は義姉(有利な状況を 生むために嘘を平気でつく)との舌戦を経て徐々に家族の中で浮いた存在となっていきました。
無垢な幼女の記憶を戦場でも抱え続け尊厳を維持した幼馴染との縁談も自ら断った阿字子は、 高等教育を与えたせいで娘はこうなったのでは…と親が考えて、妹が高等女学校ではなく裁縫学校に 通わされたのもあり(姉と兄嫁も高等女学校出身なのだが)最終的には家出に追い込まれます。
小説としては投稿作品かつ処女作で、文アルに出てくるような大正文豪たちは、素人だからこそ 描けた表現…みたいな褒め方で選出したそうです。物語は家出シーンで終わるのですが、 作者はこの作品以降は短編を多数発表し、戦後は大学の国文科にて学生の指導を行ったそうです。 家族制度に馴染めなかったのか生涯、正式な結婚はせず。ただし私ですら名を知っているような 哲学者と浮名を流したり、外国軍人と夜を過ごしたりとそれなりの経験はあったようです。 戦後は女一人で高級ホテルに住んでいたそうで、生まれた時代を間違えた女性、という印象です。
私も変化を強烈に拒む性分(月星座の影響が強い)ですが、幸か不幸か生きていくため強制的に 変わらされた面はあります。阿字子は年々生活が苦しくなっていった描写はありましたが、 「屋根裏に本を積めるレベルの蔵がある」「お手伝い(婢)がいる」「海辺に別荘がある」 「生活が苦しくなった原因が父が骨董商に騙されていろんな物を買わされたため」とぶっちゃけ 恵まれた生まれで、終盤、義姉に嫁がず、自立もせず、穀潰しになるつもりか…と責められても 私にそんなこと言うなんて死んでほしいのかーと逆ギレします。大人になる必要性も感じず、 結果として大人にならなかった女性。令和の今なら同じ境遇の人いっぱいいますし、この時代に 私は生まれることができて良かった…で片付けることもできますが、それも何か違うのでは、と。
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