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言葉なんて
2001年04月27日(金)

世の中で発明されない方がよかったと私が思うもの第三位は写真。第二位は電話。輝く第一位は言葉だ。

言葉が人間によって作られるよりも遥かに人間が言葉によって作られる方が多い。(フィヒテ)

で、私は言葉ってだいきらい。
言葉にするのがすごく気持ち悪い。
自分が思ってることじゃないことが、どんどん伝わっていくのが気持ち悪い。

すごくもやもやした曖昧なものがあるとして、それに言葉を与えると、その形になっちゃう。
でもほんとは、もやもやのまま伝えたいのだ。

よく言葉にしないと伝わらないと言うけど、言葉にしなくても、伝わるものだ。
人間関係はシビアだから、口を噤んでも、伝わっちゃうものだ。

だから、黙っていればいい。

伝えたいことがあったら、泣けばいい。

もともとコミュニケーションなんて、限界があるのだし。

それに分かり合うことに意味なんかないと思う。
知識や感情を共有してなんになるのか。

情緒があればいいのだ。
言葉には、情緒があればいい。
言葉にそれ以上の力を持たせると、嫌な目に会う。
ばかみたいに言葉に万能の力があると信じてると痛い目に会う気がする。

言葉なんて、ただ理解し易くなるだけだ。人間の脳は曖昧なものよりはっきりしてるものの方が理解し易いってだけだろう。
でも理解してどこへ行くのか。

どうせばかな波打ち際に辿り着くのが落ちだ。

だから、伝わらなくてもいいから、もやもやはもやもやのままにしておけばいい。

言葉なんて冥土送りにしてやる。

お前は聞茶でも飲んどけ。







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