Love Letters
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あなたのお見舞いに行った日のことを
詳しくは書かずにいました。
何となくあの時に私が会った人は
私が知っているあなたとは違う人のような気がして。
予想していたよりもずっと綺麗な病院。
それもその筈、市がかなりの予算をつぎ込んで建てた
最新設備の整った新しい病院なのだそうです。
GWの前半ということもあって、
あなたの病室の他の患者さんは
皆外泊に出ていました。
柔らかい春の日差しが入る病室で
あなたと二人だけでお喋りしました。
当たり障りのない会話。
何だか友達だった頃に戻ったような感じ。
帰り際、
休日のがらんとしたロビーで話をしました。
帰りの電車の時間を気にしながら。
長いすの隣に座っていた
「駄目よ。^^」
私がそう言うと、
あなたはすぐに手を引っ込めたけれど。
病院の玄関の外まで送ってくれたあなたと、
柱の陰でキスをしました。
あなたは私の肩を抱くようにして、
短いキスを三回。
翌日、あなたと電話で話しました。
「キスしか出来なかったね。」
「小夜子が欲しがったら、
連れて行こうと思ってたんだけど。(笑)」
「どこへ?(笑)」
「妖しい。(笑)」
「休日なら誰も来ないでしょ。^^」
「そっか、残念。^^」
とは言ったものの、
実際はそんな気分にはならなかったのです。
やっぱり健康なあなたが戻って来てくれないと、
私のスイッチがオンになることはないでしょう。
0574 W.S.R
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小夜子
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