Love Letters
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前回あなたに会ったのは
病院でだったから、
三月の初め以来の久しぶりのデートでした。
会うとすぐに、
照りつける太陽の日差しから逃げるように
あなたの車の中へ乗り込みました。
二時間ほどのドライブで着いたのは
今回で二度目の温泉宿。
チェックインが済むと
すぐに浴衣に着替えて家族風呂へ行きました。
あなたと一緒にお風呂に入るのも久しぶりだから
私は恥ずかしかったのだけれど、
あなたは気にする様子もなく。(笑)
さらっと汗を流す程度にお湯に浸かり、
冷房の効いた涼しいお部屋に戻りました。
「夕食前に出かけようか。」
しばらくお部屋で休んでいると
あなたが言いました。
「ご飯食べてからじゃ駄目かな?」
もう少しのんびりしていたかった私が聞くと、
もしまたその温泉街を訪れることがあったら
買ってくれるとあなたが約束していたものがあったのです。
細い坂道には
小さなお土産屋さんが軒を並べています。
まだ黄昏前だというのに
既に幾つかのお店は閉まっていました。
「確かこのお店だったよね。」
あなたは去年二人で来たその場所を
はっきり憶えていました。
0574 W.S.R
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小夜子
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