あけられてしまったホチキスかピストルみたいなものでほんの一瞬だった髪を耳にはさむ癖があるから片耳だけにしてもらった夜、その場所がジンジンしてなかなか眠れなかったやわらかな暗闇のなかで目を泳がせ枕カバーの端っこをつかむ「わたしは、わたしだけど、もう」点滅する痛みはなにかの暗号のようで「もう、わたしじゃないかもしれない…」けれど、今のわたしにはとても解読できそうになかった