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 あおい。

先日江國香織の新刊を久しぶりに読みました。といってももちろんハードカバーに手を出せるわけもなく、最近恒例になっている夕方の本屋さんまでのお散歩のときにやっと文庫に収録された”冷静と情熱のあいだ”を2冊まとめて購入したのであります。
やっぱり江國香織は特別です。基本的に一度読んだ本は読み返さないし手元にも残さない私が、唯一何度も読んだり所有したりしていたいと思う作家だから。好きな作家は他にもいるけど、全然違う。世界観とか流れている空気に包み込まれるような感じがするし、今の季節に読むとなおさらそれが強い。
私にとってはただのエンターテイメントとしてではなくて、安定剤だったりおふとんだったり空気だったりバイブルだったり辞書だったり、本当にいろいろな意味を持っていると思う。
大変なのは作用の強さに巻き込まれてしまって精神的に日常から遊離しかねない状態になったりすることがときどき・・・というよりわりとよく起こること。でもたぶん、何にも反応できない心でいるよりはずっと、そうやって影響されるものをもっているということは幸せなことなんだろうな。
考えてみればここ数年は江國香織を読んでもほとんど感じられない状態が続いていて、感受性をどこに置いてきたんだろうって悲しくなったりもした。こうやってちゃんと気持ちが帰ってくるなんて思いもしなかった。
冷静と情熱、は、切なかったです。この季節によむとちょっとやばいくらいに。一日は、かなりボーっとしていて、2日経った今日も少々動作と頭の回転が緩慢になっているような気がします。
11月には映画が公開されるので見てきます。きらきらひかるの前例があるので、映画は映画として、割り切って見に行くつもり。一人で映画は初体験だからドキドキだな・・・。

2001年10月07日(日)
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