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 それだけは譲れない。

田口ランディが他人日記の文章を小説に盗用したとかで謝罪&該当部分の差し替えをした、という記事が朝刊に出ていました。田口ランディは嫌いじゃないけど、作家として、それって一番どうなのよ??と思ってしまった私。個人的には秘書給与流用なんかより(私的に、ではない限りね)ずっと、モラル的に罪が重いと思うわ。だって、一番言葉を大切にしなくちゃいけない人々だと思うから。

私はねえ、人の言葉は駄目だなあ。自分の言葉が好きでひとつひとつをすごく大切にしているから。日記はかなり妥協しているつもりだけどそれでも短い文章にものすごく時間をかけていることもあるし、メールなんてもう大変。書いては直し、書いては削り、ひどいときなんてほとんど書き終わったあとでなんだかちょっと違う気がして全部消しちゃったり。最後には仕方ないから勢いで送信ボタン押すことにしてるんだけどお風呂とかで思い出して、あそこはああやって書いて置けばよかったなあ、とか、また思って。(笑)日記もそうだけどね、前の日の日記とか直したくなるときあるもん。
もうこれは、相手のことというよりはものすごく個人的なこだわりと言うか、自己満足の世界ですね。たかが私の日記やメールひとつ、読むほうはそんなに考えて読んでないんだろうし。っていうか、そもそも日記なんて存在自体が自己満足だからなー。
でも、自分にとっての大切な部分を妥協しないのは大事なことです。ここを譲ったら自分が自分じゃなくなっちゃうよ!っていうところ。
そんな私なので、人の言葉ってすごく違和感があるから、誰かの文章を自分の文章に織り込むって言うことはありえないだろうな。
大学のとき、サークルでほかの大学のサークルに送る手紙の挨拶文を全然仕事をしない先輩にかわって書いたことがあるのですが、その文を赤ペン先生みたいに真っ赤にされたのが、人生でたった一度だけ、思いっきり他人に対して切れた思い出。
ひとつひとつちゃんと意味を込めて選んだ表現をだた聞こえがいいだけの形式的な言葉に置き換えられて、5年以上も前のことなのにこうやって思い出すだけで今でもものすごく悲しくなるくらい。

大切なことを妥協しないで済む仕事につきたい、と、心の底から思います。

2002年04月02日(火)
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