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お祭りのひ、初恋の人と一緒に屋台に乗った。
その人とは一年に一度、お祭りのときにだけ会う。
織姫と彦星みたいだとたまに思ったりする。
全然違うけど。

その”恋”は、今ではもうもちろん
幼い日の想い出のひとつにしか過ぎない。
だけど彼は会うたびにあのころと少しも変わらずに
やさしい、あったかい人で
彼が初恋の人でよかったと、私は毎年思う。

一年に一度しか会わないのに、
顔を見せるのを楽しみにしていてくれる人たち。

きっといつかここを出る日は来るだろうけど
ここには帰ってくる場所がある。
親がいて、ずっと見守ってくれる人たちがいて、
懐かしい同級生がいて、思い出があって。

待っていてくれる人のいる幸せを
そこに、ちゃんと自分の居場所がある幸せを
少しだけ緊張して太鼓のばちを握りながら
かみしめるように思っていた。

2002年10月15日(火)
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