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わすれじの行末まではかたければけふをかぎりの命ともがな  儀同三司母

百人一首の54番目の歌です。
千年前も現代も、暮らしは変われど人の心は何も変わらないのだな、と、古典を読むたびに思います。恋愛小説を読めば千年前の人と同じようにどきどきしたり切なかったり、エッセイを読めば当然知らない暮らしぶりのほうが多いとはいえ、そこに書いてある気持ちはやっぱり今の私たちと何のかわりもありません。
この歌もそんな思いにさせられる歌。今の私がとても共感できると思う歌の一つです。そして、共感とともに、私なんかがちっぽけに悩んだって仕方ないなって思わせてくれる気がします。千年前の人もこんなふうに今の私と同じような想いを抱いていたのなら、そんな普遍的な想いだというなら、悩んでも解決なんてしないわけで、だったら潔く諦めて、気持ちに身を委ねてみたっていいかもしれないって。

視力6.0の人って、いろんなものがよく見えすぎて疲れちゃったりとかしないのかな、と思う。見えないから、気づかないから、気にせずにやり過ごしていられることって世の中にたくさんあるでしょう?知らぬが仏っていうことわざがあるように。

まあまあ、そうはいってもいろいろな人生があるわけではありますが。

2002年12月23日(月)
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