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 イノチミジカシコヒセヨオトメ

きみはきっと知らない。
晩秋の冷たい風のなか
あの、線路沿いの道を
ただまっすぐに歩いた
あたしのうしろすがた。

あたしは何も知らない
小さな小さな子どもで、
零れる涙の意味さえも
わかってはいなかった。
まだ、何ひとつとして。

今も同じ場所にいます。
そう、あの道を回って
再びここに戻ってきた。
だからあのときよりは
少しは大きくなったよ。

何よりも大切な言葉を
ここから君に届けよう。
冷たい冬の風に乗って
知らない町のあなたへ
言えなかった、言葉を。

2003年01月24日(金)
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