にっきちゃん。

2004年01月30日(金) あたしの尊敬する人。福支配人殿。

あたしの会社でのあたしの所属部署は

「接客サービス」。
そう、仲居さんですね。

ほかにはフロント。事務所。管理課。営業。
などなど様々な部署があり、それぞれに直属の上司がいるわけです。



例えばフロントの直属上司はフロント主任。
なにかあったらこの人に報告、相談。
業務を取り締まり、動かす中心人物。



あたしの直属上司は男性、役職は『副支配人』。



彼は、絶対に叱らない。
そして性格なんでしょうが、本当にめちゃくちゃ温厚です。
そして常に冷静です。
声を荒げるなんてことは考えられない。
手がつけられないような問題が起きてみんながあたふたあたふた
パニックしている時も状況をものすごく客観的に見て
結果を出す人です。

そして、とても謙虚です。
支配人というデカイ立場ながら
あたしたちのようなしたっぱに
「いつもありがとう」「勉強になりました」「本当におつかれさまです」

あたしたちにだってなかなか言えないようなピリピリした状況の時でも
あたしたちにだってなかなか言えないような心あたたまる
言葉をいつも発する人です。



本当に優しくて、友達みたいにきさくだから
みんなはやっぱり友達みたいに接しています。
そして、『副支配人って、ほんといーひとだよねー」
なんてフツウに言ってる。

けど、あたし、みんなみたいにそう素直にだけ思えない。




彼は、とてもドライな判断を下し実行することのできる、
恐ろしく頭がいい人。キレル人。

とてもとても温厚で優しいから甘いようにみんなは思っているけど
本当はとてもとても厳しい人だ。
私はとても恐れ多くてみんなと一緒になって
「副支配人っていーひとだよねーー」なんて
お菓子食べながら言えないよ・・・。



けれど、みんなが思っているとおり、謙虚なのは本当だ。
だって心の中ではいろいろ許せないことをたくさん
持っているけれど、頭ごなしにみんなをしかることがなく、
けれど自分はいつも自分に厳しくしている。
・・・ように見える。



・・・うまく言えないけど、ずっと思ってたんだ、
彼は、頭の中でこれからの指導プランや行動計画を自分の中で
確実に持っていて、今はみんなを受け入れている時期なんだと。
現状を自分の中に取り込んでいる時期なんじゃないかと。


この先、厳しく行動し始める時が絶対くる、
でもそれは彼が何を達成した時に始まるんだろうって。


彼は何を達成しようとして
叱らず、受け入れることを今続けているんだろうって。



みんなは思ってる、彼はおこらない、あたしたちに優しい。
ウレシイね、だいすき。



・・・・でも、それはいつまでも続かないよ。そう思ってた。




・・・あたしは頭がよく本当はドライな彼をとても好きであり
そしてとても尊敬している。
だって、あたしはこんなふうになれない。
自分に厳しく、人に優しい。
人の失敗をいつも許し、励ますけれど
自分は失敗をしない、(そりゃぁ人間だもの、失敗もあるだろうけど
失敗のレベル場面があたしたちとは多分違う)
そしてそれをみせつけず
もくもくとずっと厳しく生きている彼を感じる。



そしてあたしは彼と話をする時間がとても好きだ。
感情で発言することなく、いつも建設的なことを言う。
とても話していてきもちがいいんだ。




・・・・いつ、この人はあたしたちに対して厳しく行動し始めるのだろう、
彼はこのままで終わる人じゃない。
いつもそう思ってひとりわくわくしていた。




彼が自分コントロールを少しでも止めるとき。
1年間一緒にいたけれど、そんな時間きっと時間にしたら15分と
なかっただろう。



今日、ふとそんな時がきた。



彼が今日、ぽろりと言った。


「自分もここにきて1年。やっと、現状把握が終わったよ。
 やっと行動できる。これからは、もっとイライラしようと思う。」




ものすごい、と思った。
彼の現状把握の時間、1年間。
あまりにも長い。


つまり、わたしたち仲居を見て、一緒に働いて、
・・・・フツウ1年やってきたら
もう一人前だ。レベルはともかく、一人でリッパに仕事が出来る。


そんな時間を、『現状把握』とは。


そして、これからはもっとイライラしようと思う。
ということは、これからはあたしたち部下にもビシバシいくよ、ということだ。



あたしは、この日がくるのをずっとわくわくしていた。
彼が行動する時。
きっと何かが変わるんだろう。
正直、とても恐い。



でも、本当にわくわくしてどきどきして、鼓動が止まらない。



1年間という長い時間を現状把握にかけていた
彼のデカサに正直びっくりした、と共に
やっぱりこの人スゴイ、と尊敬の念で胸がいっぱいになった。


あたしは一日一日単位でイライラし、落ちこみ、ストレスをため、
いやというほど悩み、悩み、毎日心揺れていた。
そんな自分を恥ずかしく思った。


そんななか 彼は きっといろいろをさらりと受け入れ
いろいろに心揺さぶられもんもんと馬鹿みたいに悩むのではなく
これからの行動のための現状把握として
自分の中に取り込んでいたのだろう。



デカイ。
この人があたしの上司で本当にウレシイ。
彼に出会えてよかった。



これからも、この人と一緒にいたい。
心からそう思いました。




この1年を現状把握だ、これからやっと行動できる状況になった
という彼の現実は、あたしの思考回路の中にまったくないことで、
本当に目からうろこでした。


こんな刺激と尊敬の念を与えてくれる人に出会えた
喜びでいっぱいです。



ああ、これからももっといろいろを学ばせてください。






敬礼。


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綾 [MAIL]

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