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01 髪を梳く 「ほえあわっ!」 首筋に突然動きを感じて、セドリックは意味不明な声をあげた。 慌てて振り向くと、そこにはやはり驚いた顔のレイチェルがいた。 目を丸くしてこっちを見ている。 「…びっくりした…そんなに驚かなくても…」 「な、何してるの、レイチェルさん」 「いや、綺麗だな、と思って」 「何が?」 「髪」 「……は?」 どうやら、彼女は自分の髪をさわってみただけらしい。 だからって、突然さわられると、心の準備が。 「私の髪って硬いのよ。元々そうなんだけど、外に戦いにいくから、余計にね。だから…セドリック君みたいな髪って、うらやましくって。」 返す言葉もなかった。彼女も年頃の女性なのだ。当然、そういうことだって気になるに決まっている。しかし、自分には戦闘技術はない。彼女の代わりに戦闘へ赴くわけにはいかないのだ。そもそも、そんなこと彼女は望んでいないだろう。だとすれば。 「…どうしたの?」 突然座り込んだセドリックに、レイチェルが疑問の声をかけてくる。 「いいよ」 「え?」 「髪。こんなんでよければ、いくらでも」 彼女を見上げて、無意識に微笑んだ。 ちょっと驚いたのが見えたけれど、その後の表情は彼女が背後にまわってしまったからわからない。髪が指でゆっくりと梳かれているのを、心地よく感じていた。 貴女が笑顔でいてくれればいいと思う。 そのために、自分にはこんなことしかできないけど。 ***** ![]() お題は↑こちらよりお借りしました。 ひたすら甘いです。うわー!げきあまー!…まだぬるいですかね。 30、全部セドレイは無理な気がしますが、なるべくほとんどセドレイで書きたいなぁ…需要はなさそうな気がしますが、供給がないので自給自足で…
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