今日から奈良漬粕の出荷を始めました。
7月末くらいまで待ってもらえれば甘みも旨みも乗るのですが、気の早い方が結構おられるので、蔵元から見て「まあ、そこそこかなあ」くらいの状態での出荷です。
去年までは昔ながらの粕袋を使っていたのですが、あまりに袋が薄く底の部分のシール加工(熱圧着部分)が稚拙なため、粕のエキスが染み出してきてカビたりするので思い切って冷凍食品用のナイロンポリ袋(−40℃冷凍可、95℃30分ボイル可)に変えました。
槽(ふね)で搾ったり、機械絞りでも吟醸粕の比率が増えたため、全体的に柔らかくエキスの多い粕が増えているにもかかわらず、県内の蔵元さんのほとんどが昔ながらの粕袋を使っておられます。
アルコール分を含む粕エキスの浸透力は水よりも強く、多かれ少なかれ液漏れのトラブルを経験しておられるはずなのですが、わざわざ蔵元の側が手間をかけて二重包装して対応しておられ、袋に対する欠陥をことさら言い出したりしないところはお人好しというか何というか。
出入りの資材業者さんに聞いてみても、旧来型の粕袋を製作しているメーカーに対するクレームは、ほろよいが初めてだそうです。
日本酒業界というのは、なんでこんなに鷹揚なのでしょう。
旧来型の粕袋。シール幅はわずか2ミリ程度。シールの端が凹状になり小さくちぎれているのが分かりますか(検品するとほとんどがこんな状態でした)。
こちらは新採用の粕袋、シール幅は10ミリ以上。端もしっかり圧着しています。
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