ちゃーむす日記
ちゃーむす



 りんご飴

幼い頃、お祭は大好きだった。
特に屋台を楽しみにしていた。
綿菓子、金魚すくい、とうもろこし、水風船等など・・・。
そのなかでも、とりわけ「りんご飴」は、思い出深い。

私「おかあさん〜。りんご飴買って!!」
母「だめ!」

私「ねえ?お願いだから・・・」
母「だめ!」

私「ね〜え〜」
母「だめったらだめ!どうせ最後まで食べないくせに」
私「お願い!お願い!これから絶対にお母さんの言うことちゃんと聞くから・・・」
(この頃の私は何かをねだる時にいつも「これからちゃんと言うこと聞くから」というのが、口癖だったようだ。よほど、親の言うことを聞かない子だったのだろう)

母「・・・・・」
私「ねっ。お手伝いもするから〜」
母「・・・・ったく。ちゃんと汚さないように食べるんだよ。」
(いつも、母はこうして結局は可愛い娘の言うなりになってしまう)

私「わーい!!お母さんありがとう!!」
そういって、喜んで私はりんご飴をGETした!。

しかし・・・。
数十分後、
母は私がいないことに気づいた。
母「あれ?マミ(昔私はそう呼ばれていた)がいない。どこへいったんだろう?」
母はあたりを探す。
公園の砂場に私はいたらしい。
ふとみると、何かを一生懸命やっているではないか?
な、なんと、幼い私は、さっきまであれほど駄々をこねて、やっとの思いで買ってもらった「りんご飴」を、せっせと砂に埋めていたらしい。

どうやら、私はまた、最後まで食べきれなかったらしい。
幼いなりに罪悪感に陥り、必死に母に見つからぬよう埋めていたのだと・・。

りんご飴を見るたびに、母のこんな話を思い出す。

2001年04月02日(月)
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