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■ りんご飴
幼い頃、お祭は大好きだった。 特に屋台を楽しみにしていた。 綿菓子、金魚すくい、とうもろこし、水風船等など・・・。 そのなかでも、とりわけ「りんご飴」は、思い出深い。
私「おかあさん〜。りんご飴買って!!」 母「だめ!」
私「ねえ?お願いだから・・・」 母「だめ!」
私「ね〜え〜」 母「だめったらだめ!どうせ最後まで食べないくせに」 私「お願い!お願い!これから絶対にお母さんの言うことちゃんと聞くから・・・」 (この頃の私は何かをねだる時にいつも「これからちゃんと言うこと聞くから」というのが、口癖だったようだ。よほど、親の言うことを聞かない子だったのだろう)
母「・・・・・」 私「ねっ。お手伝いもするから〜」 母「・・・・ったく。ちゃんと汚さないように食べるんだよ。」 (いつも、母はこうして結局は可愛い娘の言うなりになってしまう)
私「わーい!!お母さんありがとう!!」 そういって、喜んで私はりんご飴をGETした!。
しかし・・・。 数十分後、 母は私がいないことに気づいた。 母「あれ?マミ(昔私はそう呼ばれていた)がいない。どこへいったんだろう?」 母はあたりを探す。 公園の砂場に私はいたらしい。 ふとみると、何かを一生懸命やっているではないか? な、なんと、幼い私は、さっきまであれほど駄々をこねて、やっとの思いで買ってもらった「りんご飴」を、せっせと砂に埋めていたらしい。
どうやら、私はまた、最後まで食べきれなかったらしい。 幼いなりに罪悪感に陥り、必死に母に見つからぬよう埋めていたのだと・・。
りんご飴を見るたびに、母のこんな話を思い出す。
2001年04月02日(月)
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