これ以上、続けるのはつらいと彼はいった。 それじゃあやめようかと私は言った。 つきあってもいないのに別れ話なんてどうかしてる。 つらいのはわかる。 残酷なことをしてるのを承知でずっといたんだから。
つらい、というのに。 最後の言葉は私から聞きたいと言う。 こんなとき私は言葉を失う。 心のどこかで彼に甘えていた自分を知ってるから。 それでも、なんとか絞り出して言葉を吐き出す。 彼を解放する台詞を。
それなのに。 彼はまた枷を求めて戻ってくる。 それでもやっぱり一緒にいたいと。 本当はそんな言葉を聞きたいんじゃないんだと。 そしてこんなやりとりは初めてじゃない。
つきあうってなんなんだろう。 かれはその契約が欲しいというけれど。
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