2005年12月04日(日) |
■母・肝っ玉とその子供たち |
肝っ玉と呼ばれる女が居ました。 30年戦争の最中、3人の子供と幌の荷台を引きながら、 戦場から戦場へ商売をしていました。 やがて、子供は、皆、死んでしまいました。 それでも、肝っ玉は死んでしまった長男の帰りを待ちながら、 戦火の中を、やはり荷台を引いて生きていくのでした。
というのが、ちゃんと粗筋として、チラシにも載ってますし、 タイトル場面という存在の人が居て、 場面ごとに、何が起こるか教えてくれるし、
何より導入場面は、いさましい長男と、 正直者の次男と唖しで、余計なコトをしゃべらない、長女、 彼女の自慢の3人の子供達が、肝っ玉の占いで、 命を落とすと、初めから、決まっていることなのに、
それぞれの美徳が仇を成しても、結局戦争のせいで、 命を落としていく、その場面を見るたびに、ちょっと涙ぐんだり、 胸が締め付けられたりしておりました。
友人の隣の席が、次男が死ぬところで、思わず、 「間に合わなかったか」と、声に出してしまい、 後で友人の叱責を受けていましたが、 なんか思わずそう云っちゃったというか、 判っていることなのに、 観客にそう云わせてしまったというのも、 ある意味、舞台が本物だったということないかと。
(でも、他でもうるさかったみたいなので、まあ相殺(笑)
大竹しのぶ凄いね。去年と全然、違う役なのに、同じようにも 見えるし、やっぱり違う。
でも……歌はなんか、リズムと歌はあってないかも。。。。 (今まで見たブレヒトの劇の演出が、全部、串田和美だから、 比較の対象があれなんですけど)
従軍牧師という存在は初めは、ちょっと?だったのですが、 30年戦争が17世紀の宗教戦争(プロテスタントとカトリックの) かというのを後でパンフを読むというか、見ると、 ああ、そうかって感じで、実は勝手に第二次世界大戦か 思っていたんだけど、別にそうでも、そうでなくても、 受ける衝撃は同じというか。
結局、戦争をめぐる状況がちっとも変わらないのが、 作家の真実を見抜く眼差しなのだろうか。 ある戯曲が持っている時台を超える普遍性、 ブレヒトが書いたのは66年前、、、見えない、、という奴なのでしょうか。
装置も良かったなあ。思う存分セットというか、 パラノマ的で視覚効果も良かったです。
でも、オケピをつくって、観客席つぶして、張り出しの舞台にしたせいか、 二階からは、見づらかった場面がちらほらと。 最後のムスメの死ぬ場面とか、手すりの間だからみていたよ。
姿勢が悪いからか?
で、憲法改正派の人はみておけと、特に思っていたのでした。
で、あまりに重く濃く厚みのある話だったので、 ちょっとクールダウン&脳内整理をしなければと、 まっすぐ帰るつもりだったのだが、 結局、たつみさんと飲んでいるし。
初めは一時間とか云っていたのに、なんか2時間居座ってるし。 ハッピーアワーとはいえ2杯飲んでるし。
この後、たつみさんはハシゴで本日、初日の舞台を。 私は夕飯の準備をしなくてはならないのに〜〜〜
そして、持ち合わせが少なくて、チケット代は精算したけど、 又、1890円、借りているし(;´Д`)ダメっこ。てへ。
後、休息時間に白●加●子さんをお見かけしました。 なんか、そのまま舞台に上がっても可笑しくない、 紫色の素敵なお召し物というか、人目を引くというか。。。
もう、たつみちゃん、早くこっちこいよと思っていたら、 結局、彼女はすれ違ったけど、気が付かなかったよ。
人間の視線って、あれだね。 案外と、見えないモノなんだね。
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