アナウンサー日記
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2001年08月31日(金) がんばれあかりちゃん 2 病院選び

 「お医者様の言うことはすべて正しい」と信じている人は、未だにとても多いのだが、もちろんそんなことはない。聖職とさえ呼ばれる医師という仕事も、あくまで世の中に数多ある職業の中のひとつに過ぎず、当然個々の能力差はあるし、それぞれに得意分野や未知の分野があり、決して万能の存在ではない。また人間である以上、患者との相性の問題もある。「餅は餅屋」は当然のことだが、職人を選ぶ権利と責任は「消費者=患者側」にあるのだ。よく素性を知らない医師に対し、盲目的に身をゆだねるのは危険なことだ。レーザー治療のような最先端の技術であれば、なおのことである。


 娘のアザが大田母斑であることが分かって以来、インターネットや雑誌、専門書などを使って調べたところ、レーザー治療が可能な病院はとても少ないことが分かった。その主な原因は、前回も述べた通りレーザー治療機器が高額なので、なかなか導入が難しいためだ。また、新しい技術ということもあってか、私が相談した皮膚科や整形外科医の中には、レーザー治療の知識が乏しい医師も数人見受けられた。小児科の医師や看護婦の中には、レーザー治療の存在自体を知らない人もいた。


 レーザー治療に必要な「3ヶ月に一度の通院」が可能な範囲として、ひとまず長崎・佐賀・福岡3県の病院に絞ったところ、福岡にふたつ、長崎にひとつ、病院を見つけた。佐賀県にはレーザー治療をしている病院はなかった。

 このうちもっとも有力な候補は、治療の実績からして九州大学付属病院の皮膚科だった。だが、レーザー担当医師の診察を受けたところ、「もうすぐ長崎大学でも治療が始まるので、そちらで治療してはどうか」と逆に勧められた。実績のない病院での治療の不安を訴えると、「レーザー治療は、機械は高価だがテクニックとしては単純・簡単な部類で、どこの病院で治療しても効果に変わりはない」と言う。さらに「長大の担当医師は新しく他の病院から移ってきたひとで、その医師自身はレーザー治療の実績があり、研修もしているので大丈夫だ」と付け加えた。


 後日、長大付属病院の皮膚科を訪れたところ、レーザー外来担当医師はつい最近まで東京女子医大の勤務医だったひとで、九大の医師が言っていた通り、レーザー治療の経験もあり、今回長大で導入した新型の機械の研修もすでに済ませていることが分かった。また女性医師で、彼女自身が母親であり、ハキハキとした話しぶりに魅力を感じて、娘の治療をお願いすることに決めた。もうひとつの決め手は、健康保険の完全適用を約束してくれたことだ。もちろんタダになるわけではないが、100万円を超える出費を覚悟していただけに、正直ありがたかった。


 去年の夏、2000年8月のことである。(つづく)


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