切れ端。

2004年04月06日(火)

既に砂時計の砂は 落ちきって
いつか僕が嫌っていた事を 自分で行った
僕は何人 裏切って 朝を迎えるのだろう

消え忘れた月に 飛行機雲が重なった

何かが大きく変わった気がしたけど
見上げた空は何も変わらず ブーツを履いて家を出た


既に飾られた時計は 秒針を重ね
どこかで誰かが生まれ 誰かが死んでいく
僕は何人 失くして 明日を迎えるのだろう

久しぶりに見た空は 晴れていても重かった

優しくかき消された最後の言葉は
今でも思い出せないまま 太陽が沈むのを見送った


既に触れられない 遠すぎて届かない場所
あの日見れなかった 話の続きを
遠い昔書いた手紙の 最後の一行に付け足した

首から提げた百合の花が 少し揺れていた 

優しく差し出された腕に抱かれながら
あの時伝えられなかった言葉を 遠い天国に宛てた

それでもまた明日はやってきて
僕に少しだけ先の未来を見せるつける

窓を開けて入ってくる風に 身を委ねてみた

よくある日々を繰り返すのに飽きたから
砂時計を逆さまにしながら 夜が始まるのを見ていた


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shinsuke [MAIL]