おてんきや日記
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2003年07月17日(木) |
屋号「スコップハウス」 |
屋号を「スコップハウス」とした。 何だか園芸屋さんみたい。 どうしてスコップハウスなの? と聞かれることもよくある。 そうだよね、テープ起こしの屋号としては不思議かもしれない。
「スコップ」というのは、実は夫の愛称である。
もう十年以上も前の話。 彼は自転車で北海道から九州まで日本列島を一周した。 途中で気に入ったところがあれば飽きるまで滞在し、資金がなくなれば居候をしアルバイトして資金を作り、そしてまた走った。 若いころで、時間はたっぷりあったがお金はなかった。 寝泊りはキャンプ、食事は自分で作った。 自転車に調味料一式と中華鍋まで積んであって、まるでリヤカーのようだったらしい。
旅の途中で彼は「スコップ」という愛称で呼ばれるようになった。 なぜかというのは単純で、スコップ(多分シャベルだと思うんだけど)を使って豪快にカレーを食べたことがあったから。 それ以来、旅の途中で出会った人には「スコップ」と名乗ってきた。
スコップは自転車を走らせながら、いろんな土地でたくさんの人に出会った。 見ず知らずの自転車青年に、人々は本当に温かかった。 仲間もたくさんできた。 たった一人で始めた旅は、大きな人の輪になって膨らんだ。 旅を終えるころには、日本中に友人がいた。
「スコップ」という名のもとに、彼はお金では手に入らない貴重な体験をした。 そして、大切なものをたくさん手に入れてきた。 “人のつながり”というとっても大切なもの……。
そんな彼の愛称、「スコップ」という名前を屋号にもらうことにした。 何もないところから自分で始めたこの仕事。 これから出会うであろう人とのつながりを大切にしていきたいから。 そして、時間がかかっても自分の力で走り続けていきたいから。
スコップハウス……。 園芸屋さんみたいで、テープ起こしのイメージじゃないかもしれないけど、 でも結構気に入ってるんだ。
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