罪と罰 ■2001年03月19日(月)■ わたしは忘れていなかった 桜便りが待たれる頃 ネオンが寂れつつある道を 一人で歩くとき そこに絶対いるはずのない人の後ろ姿に ただ似ているというだけで その人を追い抜かせないでいる 顔も 声も 匂いも 忘れていなかった 若さに任せた激情は 傷つけることと 傷つけられることに費やされて ある朝早く 枕元にかかってきた電話の 「もしもし!?」と言う声を聞くやいなや 無感動に受話器を置いたきり その人とわたしの間にあった 全ての感情と 全ての経緯を 断ち切ったような気持ちで 自分の幸せを探し始めた筈なのに 十数年の歳月を経てもまだ 許されていないことを知る 春の宵・・・ ・・・・・
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KATE ささやかでもない一日 マイエンピツに追加 |