■ 日々の歩み。 ■
徒然の考察・煩悩・その他いろいろ発信中。

2003年06月18日(水) 紫陽花の下に眠る。

 昨日の日記で書いた、鎌倉・名月院の、紫陽花の話の続き。

 山門を入って、本堂に向かう小道沿いに、紫陽花が植えられていますが、
これが全て青い紫陽花なんだそうです。
「名月院ブルー」(このネーミングセンスは如何なものか)とも呼ばれる
綺麗な紫がかった青。

 一般的に広く知られている通り、紫陽花は生えている土壌によって
花の色が決まります。

酸性なら、青い花。アルカリ性なら、赤い花。
リトマス試験紙とは逆が、正しいらしい。


 そんな訳で、推理小説などでは、「青い紫陽花が咲き乱れる庭」なんていう
お約束な場面があったら、大抵その下に、死体が埋まっているのです。

桜といい、紫陽花といい、日本人は、「花の下に埋められた死体」あるいは
「死体を養分に咲き乱れる花」に、幻想的な美しさを感じるものなんですかね。


 ところで死体を養分とする植物、といえば、、大島渚の永遠のライバル(?)
野坂昭如の 『骨餓身峠死人葛』 を思い出してしまうのですが。

 こっちは、幻想的な美しさなんて、欠片もありませんな。
やっぱり、生命力豊かに生い茂る植物だと、耽美もなにもあったもんじゃない。

 既に絶版の小説ですが、あんなに読んでいて、色々な意味で違和感や
気持ち悪さを感じる小説も、結構珍しい。
野坂氏といえば、代表作はやっぱり、『火垂るの墓』 なんでしょうけど、
過激でぶっ飛んだ言動通り、作品の大半は、やっぱり何だか異様らしい。

 まあ、タイトル一覧見れば、わかります。


 <1つ戻る。  一覧。  1つ進む 。>


まめ。 [HOMEPAGE]