昨日の日記で書いた、鎌倉・名月院の、紫陽花の話の続き。
山門を入って、本堂に向かう小道沿いに、紫陽花が植えられていますが、 これが全て青い紫陽花なんだそうです。 「名月院ブルー」(このネーミングセンスは如何なものか)とも呼ばれる 綺麗な紫がかった青。
一般的に広く知られている通り、紫陽花は生えている土壌によって 花の色が決まります。
酸性なら、青い花。アルカリ性なら、赤い花。 リトマス試験紙とは逆が、正しいらしい。
そんな訳で、推理小説などでは、「青い紫陽花が咲き乱れる庭」なんていう お約束な場面があったら、大抵その下に、死体が埋まっているのです。
桜といい、紫陽花といい、日本人は、「花の下に埋められた死体」あるいは 「死体を養分に咲き乱れる花」に、幻想的な美しさを感じるものなんですかね。
ところで死体を養分とする植物、といえば、、大島渚の永遠のライバル(?) 野坂昭如の 『骨餓身峠死人葛』 を思い出してしまうのですが。
こっちは、幻想的な美しさなんて、欠片もありませんな。 やっぱり、生命力豊かに生い茂る植物だと、耽美もなにもあったもんじゃない。
既に絶版の小説ですが、あんなに読んでいて、色々な意味で違和感や 気持ち悪さを感じる小説も、結構珍しい。 野坂氏といえば、代表作はやっぱり、『火垂るの墓』 なんでしょうけど、 過激でぶっ飛んだ言動通り、作品の大半は、やっぱり何だか異様らしい。
まあ、タイトル一覧見れば、わかります。
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