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2003年10月08日(水) 朝起きて真っ先に、私のこと考えた?

 久しぶりに、宝塚ビデオ鑑賞。
約10年前の、バウ(宝塚の小劇場)雪組公演。

「二人だけの戦場」

 当時の雪組トップスター、一路真輝主演。
なにしろ10年前の作品なので、2番手以下、脇を固める
役者は、現在の宝塚で君臨(?)している方々がゴロゴロ。

 宝塚初心者の私が見て判っただけでも、歌劇団理事に
就任しているトップ・オブ・トップ、轟悠
現在宙組トップの和央ようか、星組で大人気の、安蘭けい

ヒロインには、現宙組娘役トップの、女帝・花總まり
まだ、娘役トップに就任する前の若手時代ですね。

 話としては、かなり暗くて重い。
独立を求める少数民族と、それを制圧しようと監視する連邦政府が
一触即発でにらみ合う自治区に、理想に燃えた新米エリート仕官(一路)と
その友人(轟)が配属される。

 一路扮するシンクレアは、そこで少数民族の娘ライラ(花總)に
出会い、二人はお互いに惹かれていく。

 自分たちの国を渇望する少数民族は、ライラの父であるシュトロゼック
中心に、シンクレアの上官であるハウザー大佐と協力して、
話し合いによる穏便な独立を求めているが、実現にはなかなか至ることができない。

 そんな中、少数民族の一部の若者によって、テロが起きた。
仕官数名が死亡し、軍内部でも攻撃への気運が高まる。
部下もシュトロゼック達も血を流さずに、民族独立を実現させる
べく画策する大佐とシンクレアと、それを糾弾する副官たち。

 民族紛争と軍内部の確執は、シンクレアとライラを
思いがけない運命に巻き込んでいく。


 民族問題、男の友情、理想の実現にむけ奔走する上官との関係と、
前半〜中盤は、軍内部の交流・確執と、政治的な重い内容が主なので
私のような初心者が考える、「宝塚らしい華やかさ」とは違うというか、

ぶっちゃけ、地味 な印象なんですが、主要人物たちが
丁寧に描かれていて、かなり見応えがあります。

 そして後半、シンクレアとライラの別れと再会は、涙なしにはみられません。
宝塚のビデオで、初めて号泣。

 このあたりは、一路真輝よりも花總まりが、演技で引っ張るんだよ。
前半はぶっきらぼうな話し方と無表情だし、歌もダンスもいまいち
パッとしなかったんだけど、後半の迫真の演技は凄い。

 ちょっとぎこちなかったり大げさな部分がない訳じゃないが、
思わず引き込まれて、一緒に泣いちゃうよ。

 エリザベートやマリー・アントワネットやら、高貴なお姫様が
当たり役と言われているけど、こういう自然体で等身大の女の子も
演じられるんだと、ちょっと意外な感じがしたほど。(今はどうだか知らないが)
 
 
 トップ就任期間3年くらいが平均の昨今、相手役を5人渡り歩き、
雪組・宙組でのトップ就任期間が異例の10年目に突入という、花總まり

盛りが過ぎないうちに、美しく後輩に座を譲るべき という宝塚的美学では、
あまりの長期政権に「往生際が悪い」だの「金を積んでいる」だの
黒い噂とバッシングも激しい人ですが、居座り続けるだけの底力を
見せ付けられた気がしました。


 侮れん、宝塚。


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まめ。 [HOMEPAGE]