今日は、中・高時代の友達と、上野の西洋美術館へ。 「レンブラントとレンブラント派」展
レンブラントというと、私の乏しい知識の中では、 肖像画を描く人、というイメージがあったのですが、 実際には、当時の主流であった、風景画や静物画などの 画題からは外れて、聖書や神話を題材とした「物語画」を 多く遺した作家らしい。
レンブラントの特徴といえば、光源の巧みな利用。 画面は闇の暗い色で大部分を構成し、窓からの光や ろうそくの光などが、柔らかく照らし出す。
で、それの何がすごいのかって、描かれ照らし出された 人物の身につけている甲冑や装飾品、はたまた艶やかな マントまでが、本当に光っているように見えるのですよ。
キラキラ光る特殊な絵具なんぞ、勿論使っていないのですが、 全体的に暗い色彩の中で、白を効果的に使うことで、 本物のような光沢を表現できるみたいです。 油彩画だから、表面の凹凸が、照明を弾くせいも あるみたいだったけど。
絵画についてほとんど知識がない私でも、 思わず感激してしまうような、素晴らしさなのですが、 ちょっと気になったのは、この展覧会
レンブラント本人の作品は、ほんのちょっとしか展示してないぞ。
レンブラント工房、と呼ばれる、彼のお弟子さんたちの作品や、 お師匠さん・兄弟弟子の作品も含まれているのね。
あと物語画が大半なので、新・旧約聖書や、ギリシャ神話に あまり馴染みのない人には、意味がわからないというか、 何を主題に描かれているのかが伝わらなくて、 もったいないかな、という気が。 まあ、絵の素晴らしさに変わりはないのですが。
貸し出しヘッドフォンでは、音声で説明していたのかも 知れないけど、普通に観た分には、説明がまったくないので、 同じ題材で色んな人が描いているものだけでも、説明文を つけてくれれば、もうちょっと面白いのに。
幸いにも、私も友達もカトリックの学校で過ごしていて 聖書には普通の人よりも触れ合う機会があり、 有名なものなら大抵判るので、なかなか興味深かったです。
「善きサマリア人」 とか題名についてると、 記憶の引き出しを引っ掻き回して思い出して、 ついでに学校にいたシスターまで思い出して、 ちょっと懐かしくも愉快な話で盛り上がっちゃったり。
感動の余韻に浸りながら、お土産にポストカードでも 買おうと思ったら、おっそろしいことが判明。 もう、売り場の前で、唖然茫然。
レンブラントの絵って、平面的な印刷をしちゃうと、 あのキラキラな光沢が全然なくなってしまって あんなに鮮やかに浮かび上がっていた色も、 暗い色に沈んでしまって、魅力が半減してしまうのね。
本物でしか観られない、本物だけが持ちえる価値、 というヤツなのかもしれませんね。
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