最近読んでいる本、森茉莉 の 「私の美の世界」
森茉莉のエッセイって、似たような話が何度も出てくるし、 話が脱線してよく判らない場所に着地したり、文章が装飾的過ぎて 訳が判らなくなったりするんですが、あの独特の、揺ら揺らと 空想の海に漂って午睡むような、とりとめのない読感が、すごく好きです。
暖かくて気だるい冬の昼下がり、少し古びたレエスのカーテン越しに 金色を帯びた太陽の光が差し込む窓辺で、柔らかい肌触りの 毛布に包まって、とろとろした甘い琥珀色の果実酒を舐めるような。
乙女の永遠のテーマって感じ。
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