Diary?
DiaryINDEXpastwill


2004年08月11日(水) ふんころがし

会社帰りに小田急百貨店で「いきもの図鑑 牧野四子吉の世界」を観てきた。観に行こうと思いながらものんびりしてたら、来週の月曜日までだった。私はあさってから帰省なので少々焦った。

牧野四子吉って人はあれだ、名前は知らなくてもきっと誰しも見たことのある絵を描いた人。広辞苑や図鑑や事典の挿し絵画家だ。

挿し絵原画が大量に展示されていた。すごいよやっぱり。もう「あの絵だー」としか表現しようのないテイスト。昔から広辞苑の挿し絵もファーブル昆虫記も大好きだったんだけど、同じ人が描いていたとはびっくり。

今回、一気に大量の展示を観て思ったんだけど、こういう挿し絵って「大きさ」が均一で面白い。実物の大きさに関係なく、ゾウリムシからマッコウクジラまで、粘菌からバオバブの樹まで、絵の大きさは全部同じ。

私は図書館司書の仕事をしていて、仕事上の知識でいちばん面白いと思うのは「分類」についての概念である。図書館の分類法というのは、簡単に言うと「世界の全ての知識を10進法で切り分けていこう」というものだ。なんというか、情け容赦なく10に分けていく。それをまた10に細分する。それを繰り返して分類番号を構築していくという考え方だ。

ハヤブサもクワガタも同じ大きさに描かれた挿し絵を見ていると、十進分類法にも通じる潔さとでもいうのか、雑多な知識をざーっとならして切り分けて見せる豪快さに感心してしまった。それが博物学の気持ちよさなんだろうな。

それにつけてもファーブル昆虫記の「玉ころがしの観察」をもう一度読みたい。


garden_of_time |MAIL