年長者
 「年長者が若者に対して彼等の事を深く知ら無くても理解出来ていると考えるのは自身の経験を過信した驕りだと知っています。私と似た様な人生を辿りつつある若者の考えさえも完全には判りません。私が貴方を理解していると思うのは唯の傲慢。」
 そういう内容の事をヒステリックに叫ばれた。

 延々と続く彼女の愚痴を聞き乍彼女は何歳なのか計算し五十を超えている事に気付いて愕然とした。僕は彼女を最初に会った頃の三十代の侭だと思っていた。違うんだ、外見上そんなに歳を重ねて無い様に見えても確実に年毎に彼女は年を重ねていたのだ。

 ヒステリックな叫びの原因は僕。
 僕が他人に如何「判る」と謂われ、其の言葉がどれだけ的外れなものであったのかを述べた所為。
 彼女は其れを自分の事だと思ったから、僕に自分の考えを伝え様とした。

 「でも、貴女は僕を判る為に必要な駒を殆ど手に入れてますよ。」
 この科白を彼女が如何解釈したのか僕には判ら無い。
 彼女の「判る」は他の人程的外れでは無かった。だから、其れは彼女の事では無かったのだが…。

 「年長者」「若年者」其等の言葉は確かに僕達を指す言葉の一つ。
 年齢なんて関係無しに僕は貴女には理解されていると思って居た。
2002年01月16日(水)
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