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■ お嬢
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■ お嬢
もう何年も前なのですけどね、僕の母親の事を「苦労知らずのいいとこのお嬢さんが何も知らないで勝手な事をいう」と陰で憎々しげに謂っていた女性が居たのですよ。
母の同級生でもあり母に雇われている立場であった其の主婦がどれほど僕の母の実情を知らずに陰口を叩いていたのか僕はよく知ってましたので彼女が何を謂おうと嘲笑して取り合わずにいられました。
彼女の眼には僕の母は裕福な家に生まれ、何不自由無く育ち、親の金で高校も大学も行き、学歴のある人と結婚し、趣味で始めた仕事がうまく成功した…非常に恵まれた状態に見えたらしいのです。
母が実家で如何育ったのか、如何やって自費で大学等の費用を賄ったか、結婚相手に如何苦労したのか、今の仕事を多少なりとも軌道に乗せる迄にどんな経過があったのか、そんな事は其の主婦には見え無かった様なのです。
彼女にとっては僕の母は何処迄いっても「苦労知らずのお嬢さん」でした。其れが現実と如何違おうと彼女は間違いを認めませんでした。
若しかしたら是も同じなのだろうか、とあるお嬢さんの事について考えようとしていました。
僕の眼には彼女は親の金と愛情の元ぬくぬくと己の我侭さ加減に気付かずに育ってしまったようにしか見えないのだけれど、若しかしたら実情は違うのでは無いかと。
上記の件はあくまでも過去形で今現在は考える気にもなれない。
五十を過ぎた年齢の親の脛を齧れる神経、持てなかった僕にはお嬢さんの気持ちは判りませんよ。
母の同級生でもあり母に雇われている立場であった其の主婦がどれほど僕の母の実情を知らずに陰口を叩いていたのか僕はよく知ってましたので彼女が何を謂おうと嘲笑して取り合わずにいられました。
彼女の眼には僕の母は裕福な家に生まれ、何不自由無く育ち、親の金で高校も大学も行き、学歴のある人と結婚し、趣味で始めた仕事がうまく成功した…非常に恵まれた状態に見えたらしいのです。
母が実家で如何育ったのか、如何やって自費で大学等の費用を賄ったか、結婚相手に如何苦労したのか、今の仕事を多少なりとも軌道に乗せる迄にどんな経過があったのか、そんな事は其の主婦には見え無かった様なのです。
彼女にとっては僕の母は何処迄いっても「苦労知らずのお嬢さん」でした。其れが現実と如何違おうと彼女は間違いを認めませんでした。
若しかしたら是も同じなのだろうか、とあるお嬢さんの事について考えようとしていました。
僕の眼には彼女は親の金と愛情の元ぬくぬくと己の我侭さ加減に気付かずに育ってしまったようにしか見えないのだけれど、若しかしたら実情は違うのでは無いかと。
上記の件はあくまでも過去形で今現在は考える気にもなれない。
五十を過ぎた年齢の親の脛を齧れる神経、持てなかった僕にはお嬢さんの気持ちは判りませんよ。
2002年05月10日(金)