淺い絆
 此の赤い絲が切れなければいいな。
 最初はそう願うだけなのだ。
 だから切れぬ樣に絲を紡ぎ足して補強する。

 此の赤い絲は暫くは切れぬだらうな。
 だんゝゝそう思ひ始めてしまふのだ。
 だから赤い絲をどんゝゝ縒り合はせて無理に太くしやうとする。

 此の赤い絲が切れる事は決して無いのだ。
 いつしかそう思ひ込んでしまふ。
 だから過剩なる期待により酷使された絲は擦り切れていつてしまふ。

 切れた其の瞬間に「其の程度のものだつたのだ。」と獨白するのは、絲の強さを思ひ込んだ己の淺墓さに氣付けないだけなんだ。
 絆を深めもせずにより淺くした因である己の淺墓さに氣付きもせずに獨白するだけでは何も進展しないのだ。
2003年01月31日(金)
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