腐縁
 「もう厭だ。」
 そう何度も何度も彼女は繰り返した。
 己に絡み付く男女の縁に振り回されて。

 「如何して私がこんなに惱まなくちやならないの?」
 そう彼女は獨白した。
 腐つた縁を抱え込んで更に腐り果てやうとする女に侵食されながら。

 「あ゛ーーーー。」
 そう叫んで彼女は机に臥したのだ。
 結末の看えて居る戀物語の脇役となつた己を忌々しく思ひながら。
2003年04月23日(水)
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