公園で遊んでいたら、はやとくんという男の子とそのお母さんと一緒になった。 初めて会う子だっただけに、まりなも最初は気にしているような入ないような風で 一人で遊びつづけていた。 最初は、まりなよりもはやとくんの方が人懐っこく、 まりながちょっと離れても、少しずつ近寄ってくる感じだった。 まりなはしばらく、つかずはなれず、という距離を保っていた。
まりながまだ公園のまわりにいくつか残っている たんぽぽのわたげで遊び出した。 まりなには届かないので、「ママ、あれとって」の指示通り、 まりなままが取って渡してやる。 2,3本、取ってはふき、取ってはふき、したあと、 まりなは1本を手に持っているのに、「ママ、あれとって。」 持ってるじゃん、といっても聞かないので、しぶしぶ取ってやったら、 とってもうれしそうな顔をして、 ちょっと遠くにいたはやとくん親子をふりかえり、 「ねーねー!これ、みてー!」そういいながらちょっと小走りに。 それを見て、向こうからはやとくんが走ってきてくれた。 まりなはいつも、友達のほうが積極的に近寄ってくると、 かえってひいてしまう傾向がある。 そうなってしまうのでは、と、ついまりなの表情をうかがい、 「どうぞ、ってひとつあげてごらん」と声をかけてしまった。 まりなは、一瞬ひいた顔をしたけれど、手をのばしてくれたはやとくんに 「どうぞ」と一つ。 このことで、まりなはちょっと気が楽になったのか、 急に自分からはやとくんの方に行くようになった。 ベンチにならんでちょこんとすわり、何やら話しかけてみたり、 はやとくんのあとについて走ってみたり。 そんな光景を見て、とってもうれしかったまりなままでありましたが、 残念なことに、今度ははやとくんの方がひいてしまったようす。 まりなが近寄っていってもなんともそっけない。
その後、しばらく、二人とも砂場で別々に遊んでいた。 まりなはふっと砂場をでて、別の場所にゆっくりと歩いていってしまう。 2,3歩歩いてはこっちを振り返って手を振り、歩いては手を振りを 繰り返すので、どうしたのかと追いかけてみると、 「おすなやまで遊んでちょうだいっ!」(おすなやま=砂場)と まりなままを追い払う。 まりなままが砂場に戻ると、 しばらく砂場からはなれたベンチでじーっとたたずみ、 急に「ママ〜!!」と半分泣いたような声をだしてさけびながら こっちへ走ってくる。 抱き上げて、「もう帰ろうか」というと、「おすなやまで遊ぶ」 砂場にいれると、しばらく遊んでまたふっと歩いてでていってしまう。 同じことを2,3度繰り返しただろうか。 どうやら、まりなはまりなままじゃなくって、はやとくんに ついてきてもらいたいのではないかと思い当たった。
なんだか、小さな子ってこんなもんだろうけど。 友達と遊ぶのってむずかしいことなのね。 もっと公園に沢山子供がいればもっともっといろんな関係ができて おもしろいんだろうけどなぁ。 ちょっとまりながかわいそうになってしまった。
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