2002年03月29日(金) ゆらぎ


予備校の春季講習が始まって四日目。
二日目にしてすでにダウンした私は、
昨日、今日と予備校をさぼった。

昨日は、「行きたくない」とゴネて家族を困らせた。
お母さんに「しようがない子だね」と頭をこづかれたときは、
さすがに涙が出た。
高い講習費や画材費は、
お父さんが夜遅くまで働いて作ったお金だって、
ちゃんと知ってるのに。
講習でやることは、私の将来のためになるものだって、
ちゃんと分かってるのに。

そして今日は予備校に行くふりをして、一日中ぶらぶらと。

駅前の本屋で江国香織の「いくつもの週末」を買う。
そのすぐ隣のカフェで、オレンジジュースを頼んで、本を読む。
時々、外の雨模様やお店の他の客のことを見る。
それから、いつもと反対方向の山手線に乗る。
目的地は池袋。そこまで、一眠りすることに決める。
結局、山手線ニ周分ぐっすりと眠ってしまう。
池袋の画材屋で、絵溶き皿を四枚買う。
地元に戻って、時間合わせにマクドナルドに寄る。
バスで絵画教室へ向かい、版画の続きをする。
そしてまたバスで家へ帰る。

私が十時間くらい暇つぶしをしている間に、
ライバルたちはせっせとデッサンをしているはずだ。
私は後ろめたさ半分、新鮮さ半分で、今日を過ごした。
多分、立場的にはデッサンをすべきなんだろうけど、
こうやって過ごしたことも良いのかもなぁと、
ちょっとだけ思える。ほんのちょっとだけ。
買った本の内容は今日という日に似合っていたし、
カフェでオレンジジュースを飲んでいたおじいさんは
帽子と足を組んだ後ろ姿が格好良かったし。
ただ一つだけ、帰宅したときに、何も知らない母が
「おかえりなさい。雨なのに大荷物で大変だったわね」
と、私を気遣ってくれたことに対して、
本当に本当に胸が痛んだ。

ごめんね。



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