2002年07月07日(日) 17歳のカルテ


「17歳のカルテ」という映画を見た。
劇場公開をしているときから興味はあったのに、
見ないで今日まで過ごしてきていた作品だ。

舞台は1960年代のアメリカの精神科病棟。
主人公は自殺未遂でボーダーライン人格症だと診断されて、
精神科病棟に入れられてしまう。
そこにいる少女たちはみな、何かしら心の病を持っている。
一見つかず離れずの少女たちだが、その結束力は強い。
主人公はそんな"友達"のことを思うと、
病棟から出られなくなってしまう。
約1年をそこで過ごして、主人公は退院することになる。

平たくいえば、ストーリーはこんな感じだ。
この作品では、今の私と同じ"17歳"の少女が描かれている。
じゅうななさい、セブンティーン。
その素敵な響きの中に、
彼女たちは不安や苦悩を隠し持っている。
17歳という年齢は、映画や小説でよく取り上げられる年齢だ。
それは、かつて17歳だった大人たちが、
17歳という期間を何か不思議なもののように
感じているからに違いない。
そうして、私は今その期間を生きている。
自分が17歳であるうちに、
この映画を見ることができて良かったと思う。
17歳だからできる、17歳しかできない、
そんな感じ方ができたように思う。

彼女たちは普通の人よりも
感情や感受性の振れ幅が激しいだけなのだ、
そんな画中のセリフに母は共感していた。
私もそうだと思っている。

そう考えていたら、ある女の子のことが頭に浮かんできた。
友達や先生は好きだけれど、学校という組織が嫌いで
学校に行っていない女の子。
精神科に通ったりして、毎日つらそうにしている。
そのつらさを味わったことがない私は本当に無力で、
いくら彼女と話しても大した意味はなさないかも知れない。
けれど、音楽が人に力を与えるように、
映画ならば彼女に何かを与えられるかも知れない。
だから、私は彼女に「17歳のカルテ」をすすめた。

「精神的にきつい状態では見たくない映画だ」
そう母は言っていたけれど、それはどうなのかしら。
私はそんなことはないと思う。
映画の主人公が少し強くなって退院したように、
彼女だって強くなれるかも知れないから。

最後に、主人公の役の女優が話していた言葉をひとつ。
「ありのままの自分を受け入れることが苦悩の種になっても
それも自分の一部だから切り捨てることができないの。」

少しでも彼女が元気になってくれることを願う。



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